蜀犬 日に吠ゆ

2010-08-28

ホガラカ~

[][]石黒正数『Presentforme』少年画報社 23:52 はてなブックマーク - 石黒正数『Presentforme』少年画報社 - 蜀犬 日に吠ゆ

 漫画屋さんに行くたびに「F全集」のオーラを感じているわけですが、まあ諸般の事情からそういう欲動は抑圧しているのです。しかしいつも防衛機制として「抑圧」を選択しているとスーパーエゴよりエス(イドともいう)の暴走力が上回ってしまうので……まあいいか。


 「F全集」ではなく「F成分」を体に取り入れるサプリメントとしての石黒正数。

Present for me 石黒正数短編集 (ヤングキングコミックス)

Present for me 石黒正数短編集 (ヤングキングコミックス)

 ま、実際には島本和彦『ワンダービット』の文庫版が出たというので漫画屋で空振りし、そのムシャクシャで買ったのですぅ。「代償」の「代償」。狂気まで、あと3マイル。


 などというと失礼か。基本SFの短編集。面白かったです。Fより星新一的。投げっぱなしブレインバスター。

  • ススメ サイキック少年団
    • すすめねーし。
  • Present for me
    • 「ホーホー」言うのはディズニーだけなのかもしれないなあ。
    • for me が即 for you であるところが、大乗的。
  • なげなわマン
    • 絵柄が変わったのでビックリしました。
    • 「つづく」が予想外で笑いました。
    • まあそうなるわねえ。まずそこに注意しないとなげなわマンにはなれないと思います。
  • カウントダウン
    • という映画? というオチ?
  • バーバラ
    • 魔女っこ。あーなるほど。このオチはうまいわ。倫理詰め。
  • 泰造のヘルメット
    • なぜヘルメットを鈴木ヘルメットで買うことになったのか、主人公もそうとう非常識ではある。
    • 大スペクタクルになる。どこだこれ。
  • ヒーロー
    • これは、普通かな。アメコミにこんな話しあったような。
    • 一人暮らしで、コンビニ買い食い生活だと戦闘力って落ちていきませんかねぇ。余計なお世話か。しかし、偏った食事でいらいらしがちなヒーローって、危険だなあ。


[][]福満しげゆき『うちの妻ってどうでしょう』3 双葉社 22:43 はてなブックマーク - 福満しげゆき『うちの妻ってどうでしょう』3 双葉社 - 蜀犬 日に吠ゆ

 いよいよ第3巻。『僕小』に結構飽きてきたのですが、こっちの方が面白い。

うちの妻ってどうでしょう?(3)ーアクションコミックス

うちの妻ってどうでしょう?(3)ーアクションコミックス

 長男誕生をはさんでいることもあるのでしょうけれど、本当に福満さんは、自分でも行っていますが行動範囲が狭いですね。出版関係のパーティすら行っていない第3巻は、前半ほぼ担当編集者k澤さんとの確執、あとは家庭内の出来事。しかしそれでこれだけ面白いのですから、福満さんにはもうほんと旅に出てほしい。


 あと、前半部分は、各回のタイトルが往年のハリウッド名画なんですけれど(初っ端だけ岩明センセの『寄生獣』)、なんの説明もなくそして唐突に終了してしまっています。何かな、マイブーム的なものなのかたまたまDVDで見たとか、そういうことなのでしょうか。ミステリアスな漫画ではあります。


2巻の感想

1巻の感想


[][][]古今和歌集を読む 秋歌上(その12) 22:20 はてなブックマーク - 古今和歌集を読む 秋歌上(その12) - 蜀犬 日に吠ゆ

秋歌上

200 君しのぶ草にやつるゝふるさとは 松虫の音ぞかなしかりける

佐伯梅友校注『古今和歌集』岩波文庫

200 一~三私は来てくれない君をしのんでやつれ、家はしのぶ草が茂ってやつれている、このふるさとは。 四「松虫」に「待つ」意を寄せて作者自身を思わせる。

佐伯梅友校注『古今和歌集』岩波文庫

[][][]孟子を読む 梁惠王章句上(その6) 22:05 はてなブックマーク - 孟子を読む 梁惠王章句上(その6) - 蜀犬 日に吠ゆ

仁者は敵なし

梁惠王章句上 凡七章

孟子見梁襄王、出語人曰、望是不似人君、就之而不見所畏焉、卒然問曰、天下惡乎定、吾對曰、定于一、孰能一之、對曰、不嗜殺人者能一之、孰能與之、對曰、天下莫不與也、王知夫苗乎、七八月之間、旱則苗槁矣、天油然作雲、沛然下雨、則苗浡然興之矣、其如是、孰能禦之、今夫天下之人牧、未有不嗜殺人者也、如有不嗜殺人者、則天下之民、皆引領而望之矣、誠如是也、民歸之、由水之就下沛然、誰能禦之、

小林勝人訳注『孟子』上 岩波文庫
梁惠王章句上 凡七章

 孟子梁の襄王に見ゆ。出でて人に語(つ)げて曰く、之を望むに人君に似ず、之に就いて畏るる所を見ず。卒然として問いて曰く、天下悪(いず)くにか定まらんと。吾対えて曰く、一に定まらん。孰(たれ)か能く之を一にせんと。対えて曰く、人を殺すを嗜まざる者、能く、之を一にせん。孰か能く之に与せんと。対えて曰く、天下与せざる(者)なきなり。王夫(か)の苗を知るか。七八月の間(ころ)、旱すれば則ち苗は槁(か)れんも、天油然(ゆうぜん)として雲を作(おこ)し、沛然として雨を下さば、則ち苗は浡然として興きん。其(も、若)し是の如くなれば、孰か能く之を禦(とど)めん。今夫れ天下の人牧(きみ、人君)、未だ人を殺すを嗜まざる者有らざるなり。如し人を殺すを嗜まざる者有らば、則ち天下の民、皆領(くび)を引(の、延)べて之を望まん。誠に是の如くならば、民の之に帰せんこと、由(なお、猶)水の下きに就きて沛然たるがごとくならん。誰か能く之を禦めん。


 孟子は梁の(恵王のあとをついで、位に即かれたその子の)襄王にお目にかかった。御殿を退いてから、ある人に話された。「(新しい王様は)遠くから見ても、どうも王様らしさがさっぱりなく、近づいてお会いしても、またいっこうに威厳がない。初対面の挨拶もそこそこにいきなり、『この乱れた天下は、いったいどこに落ちつくのだろう』とおたずねになる。そこで『いずれは、必ず統一され(て落ちつき)ましょう』とお答えすると、また『だれがいったい統一できるのだろう』と問われる。そこで、『人を殺すことのきらいな仁君であってこそ、はじめてよく統一できましょう』とお答えすると、『いったい、だれがそれに味方するのだろう』とまた聞かれる。そこでまた、『だれかれといわず、天下に味方にしないものは一人もありますまい。王様、あの苗をご存知でしょう。夏の七八月ごろ、日照りがつづくと苗は萎れて枯れそうになります。しかし、このとき大空が俄かにかきくもり、ザアザアと勢いよく俄か雨をふらすと、苗は忽ちムックリと起きあがり元気づくことでしょう。そういうとき、だれがいったいこの苗の生き返るのを抑えとめることができましょう。(それと同じこと。仁政を行なう君主にであえば、それこそ人民は蘇生の思いがするものです。ところが、)見渡すところ、天下に人を殺すことのきらいな仁君は今日一人もおりません。もし、こんなときにそういう仁君があらわれたら、天下の人民はみな頸をながくして慕い仰ぐことでしょう。実際こうなったら、人民はみなこの仁君に心服して、さながら水が勢いよく低いところへドンドン流れてゆくようについてくるものです。なんぴとの力をもってしたとて、とても防ぎとめられるものではありません』と私はお答えしたのである。」

小林勝人訳注『孟子』上 岩波文庫

 こののち、孟子は梁の国を去る。恵王に比べ襄王の格の低さを嘆いているようにも思いますが、恵王のころも結局飼い殺しだったのですよねえ。