蜀犬 日に吠ゆ

2010-08-29

[][][]古今和歌集を読む 秋歌上(その12) 15:08 はてなブックマーク - 古今和歌集を読む 秋歌上(その12) - 蜀犬 日に吠ゆ

秋歌上

201 秋の野に道もまどひぬ まつむしのこゑする方にやどやからまし

佐伯梅友校注『古今和歌集』岩波文庫

201 二日も暮れたし、帰る道もわからなくなった、という気持。 三四松虫の声を、誰かを待って鳴くように思っていう。→二〇二

佐伯梅友校注『古今和歌集』岩波文庫

 松虫と「待つ」の掛詞は定番、というかそれだけのために松虫を登場させているように見えなくもありません。


秋歌上


202 秋の野に人まつ虫のこゑすなり 我かとゆきていざとぶらはん

佐伯梅友校注『古今和歌集』岩波文庫

202 二だれかを待つ松虫。 三声だけで松虫と決めた意を、「なり」で表わす。 四待っている相手はこの私かしらと、行って。

佐伯梅友校注『古今和歌集』岩波文庫

 自意識過剰。


秋歌上


203 もみぢばのちりてつもれる我がやどに たれをまつむしこゝら鳴くらん

佐伯梅友校注『古今和歌集』岩波文庫

203 だれも訪ねて来ないで、と置いて解す。 四五だれを待って松虫がこうしきりに鳴いているのだろう。

佐伯梅友校注『古今和歌集』岩波文庫

 よみ手の「待つ」気持ちを代辯して鳴いてくれているのかもしれませんね。