蜀犬 日に吠ゆ

2010-09-30

[][][]孫子を読む 謀攻篇(その4) 19:54 はてなブックマーク - 孫子を読む 謀攻篇(その4) - 蜀犬 日に吠ゆ

君の軍に患うる所以の者には三あり

謀攻篇

夫將者國之輔也、輔周則國必強、輔隙則國必弱、故君之所以患於軍者三、不知軍之不可以進、而謂之進、不知軍之不可以退、而謂之退、是謂縻軍、不知三軍之事、而同三軍之政者、則軍士惑矣、不知三軍之權、而同三軍之任、而同三軍之任、則軍士疑矣、三軍既惑且疑、則諸侯之難至矣、是謂亂軍引勝、

金谷治訳注『孫子』 岩波文庫

 夫れ将は国の輔なり。輔 周ならば則ち国必らず強く、輔 隙(げき)あらば則ち国必らず弱し。故に君の軍に患うる所以の者には三あり。軍の進むべからざるを知らずして、これに進めと謂い、軍の退くべからざるを知らずして、これに退けと謂う。是れを軍を縻すと謂う。三軍の事を知らずして三軍の政を同じうすれば、則ち軍士惑う。三軍の権を知らずして三軍の任を同じうすれば、則ち軍士疑う。三軍既に惑い且つ疑うときは、則ち諸侯の難至る。是れを軍を乱して勝を引くと謂う。


 一体、将軍とは国家の助け役である。助け役が(主君と)親密であれば国家は必らず強くなるが、助け役が(主君と)すきがあるのでは国家は必らず弱くなる。そこで、国君が軍事について心配しなければならないことは三つある。(第一には)軍隊が進んではいけないことを知らないで進めと命令し、軍隊が退却してはいけないことを知らないで退却せよと命令する、こういうのを軍隊をひきとめるというのである。(第二には)軍隊の事情も知らないのに、軍事行政を(将軍と)一しょに行なうと、兵士たちは迷うことになる。(第三には)軍隊の臨機応変の処置も分からないのに軍隊の指揮を一しょに行なうと、兵士たちは疑うことになる。軍隊が迷って疑うことになれば、(外国の)諸侯たちが兵を挙げて攻めこんで来る、こういうのを軍隊を乱して勝利をとり去るというのである。

金谷治訳注『孫子』 岩波文庫

 現場で担当する人の意見に耳を貸し、それをバックアップするという基本姿勢ができていなければ軍隊は動くことができない。ということですかね。

 君主たる者は一度軍を任せた将軍を尊重しなければならないのですが、我慢できずに口をだすから話がおかしくなっていくわけです。