蜀犬 日に吠ゆ

2010-10-16

[][][]孫子を読む 虚實篇(その3) 23:07 はてなブックマーク - 孫子を読む 虚實篇(その3) - 蜀犬 日に吠ゆ

進みて禦ぐべからざる者は、其の虚を衝けばなり

虚實篇

進而不可禦者、衝其虚也、退而不可追者、速而不可及也、故我欲戰、敵雖高壘深溝、不得不與我戰者、攻其所必救也、我不欲戰、畫地而守之、敵不得與我戰者、乖其所之也、

金谷治訳注『孫子』 岩波文庫

 進みて禦(ふせ)ぐべからざる者は、其の虚を衝けばなり。退きて追うべからざる者は、速かにして及ぶべからざればなり。故に我れ戦わんと欲すれば、敵 塁を高くし溝を深くすと雖も、我れと戦わざるを得ざる者は、其の必らず救う所を攻むればなり。我れ戦いを欲せざれば、地を画してこれを守ると雖も、敵 我れと戦うことを得ざる者は、其の之く所に乖(そむ)けばなり。


 進撃したばあいにそれを防ぎ止めることのできないのは、すばやくて追いつけない(進撃だ)からである。そこで、こちらが戦いたいと思うときには、すばやくて追いつけない(後退だ)からである。そこで、こちらが戦いたい思うときには、敵がたとい土塁を高く積み上げ堀を深く掘って(城にこもって戦うまいとして)も、どうしてもこちらと戦わなければならないようになるのは、敵が必らず救いの手を出す所を(こちらで)攻撃するからである。こちらが戦いたくないと思うときには、(土塁を積んだり堀を掘ったりして固めるまでもなく)地面に区切りを画いて守るだけでも、敵にはこちらと戦うことができないというのは、敵の向かう所をはぐらかすからである。

金谷治訳注『孫子』 岩波文庫