蜀犬 日に吠ゆ

2010-10-20

[][][]孫子を読む 虚實篇(その6) 19:57 はてなブックマーク - 孫子を読む 虚實篇(その6) - 蜀犬 日に吠ゆ

無形に至る

虚實篇

故形兵之極、至於無形、無形、則深間不能窺、智者不能謀、因形而錯勝於衆、衆不能知、人皆知我所以勝之形、而莫知吾所以制勝之形、故其戰勝不復、而應形於無窮、

金谷治訳注『孫子』 岩波文庫

 故に兵を形(あらわ)すの極は、無形に至る。無形なれば、則ち深間も窺うこと能わず、智者も謀ること能わず。形に因りて勝を錯(お)くも、衆は知ること能わず。人皆な我が勝の形を知るも、吾が勝ちを制する所以の形を知ること莫し。故に其の戦い勝つや復(くりかえ)さずして、形に無窮に応ず。


 そこで、軍の形(態勢)をとる極地はは無形になることである。無形であれば深く入りこんだスパイでもかぎつけることができず、智謀すぐれたものでも考え慮ることができない。(あいての形がよみとれると、)その形に乗じて勝利が得られるのであるが、一般の人々にはそれを知ることができない。人々はみな身方の勝利のありさまを知っているが、身方がどのようにして勝利を決定したかというそのありさまは知らないのである。だから、その戦ってうち勝つありさまには二度とはくりかえしが無く、あいての形のままに対応して窮まりがないのである。

金谷治訳注『孫子』 岩波文庫