蜀犬 日に吠ゆ

2011-04-18

またまちがえた。けしてしまった。

[][]あずまきよひこ『よつばと!』9 電撃コミックス かんそう(その4) 16:53 はてなブックマーク - あずまきよひこ『よつばと!』9 電撃コミックス かんそう(その4) - 蜀犬 日に吠ゆ

 各話ごとに、一番気に入ったコマを掲出します。

よつばとよてい! かんそう

 パンツマンの下りで、あほだなあ、と思いつつタイトルページで表に出る話か? と思わせる。低めのテンションから上昇傾向です。トーハトキャラメルコーン(よつばと! は実名主義ですよね。このへん漫画のスタンスはバラバラで面白い。*1)でじわっと、このへんは低速ギアですよね。「あーーーーっ!」でセカンド、「ギャーーーッ!!」でサード、「とまれーー!!」でトップにもっていって、このコマですよ。


 オーバートップ。さらに先へ。

 いったのちに目が覚めるという、ジェットコースター・ストーリー。すげえ。

 「あやまって」のコマとどっちにするかちょっと悩んだ。「あやまって」のコマは全部主線の太さが均一なんだけど、それがどんな効果を出しているのか、うまく言葉にできなかったので避けました。口の中に何もねーとか、よつばとという漫画は、ディフォルメ具合に何か方法論がある気がする。わからんけど。

 五歳でせんたくいれるか? うーむ。この辺わからんけど、よつばは「ませてる子供」というだけではないと思う。自分で脚立出すし。

 「宅配便」。とーちゃん偉い。普通に会話してて「宅急便」をいう人にイライラしていた狭量人なもので。わたしはみなし公務員だった時期がありますので、言葉のPC(Political Correct)に反応しやすいんです。で、来た宅配便の縦縞はどこでしょうかね? 佐川の横じまは有名ですが、ヤマト、日通、(こぐまの)名鉄、ペリカンあたりで縦縞は覚えがないなあ……。

 どんぐりなのに「じゃがやま」とは、これいかに。

よつばと!  9 (電撃コミックス)

よつばと! 9 (電撃コミックス)


[][]ヤクザと活動屋の虚々実々~~山平重樹『実録ヤクザ映画で学ぶ抗争史』ちくま文庫 16:53 はてなブックマーク - ヤクザと活動屋の虚々実々~~山平重樹『実録ヤクザ映画で学ぶ抗争史』ちくま文庫 - 蜀犬 日に吠ゆ

 

北陸代理戦争

交錯した虚構と現実

『北陸代理戦争』は、昭和五二年一月から二月五日にかけて、福井県の三国(みくに)、芦原(あわら)の両町でロケーションを行っている。川内が菅谷組から破門された直後の一月三一日、福井県警が東映にロケの自粛を申し入れる一幕もあった。

 これに対する東映の回答は、

「二月二六日公開を目指して撮影が進んでおり、映画の中止はありえない」

 というものであった。

 映画人の気骨というより、そのしたたかさはむしろ、ヤクザのうえを行っているということであろう。よく笑い話で、

「山口組が東映を食いものにしたなんて話はひとつもない。むしろ徹頭徹尾、山口組を食いものにしたのが東映株式会社」

 と、映画関係者からも指摘される所以である。

 高田氏もこう述べている。


《そういう意味で、我々物書き、とくに活動屋なんてものは、たいへんな貪欲さがある。政治家であれ、ヤクザであれ、活動屋には勝てないんですよ。やくざが死のうが何しようが、平然と食い物にして、なんでもお金にしようとする。それぐらいの貪欲さを我々は持っているし、作る企業側も持っているあいだが、映画産業というものは精彩を放つんではないですか。この貪欲さをなくしたとき、エンターテインメントという力をほんとうに失っていくんじゃないかという気はすごくしています。これはヤクザを越えたやくざ性とも言うべきものでしょうね》(前掲書)


 いやはや、聞きしに勝る活動屋気質のものすごさよ。

山平重樹『実録ヤクザ映画で学ぶ抗争史』ちくま文庫

 引用中の(前掲書)とは、高田宏治・西谷拓哉『高田宏治 東映のアルチザン』カタログハウス。

究極のドラマ 実録ヤクザ映画で学ぶ抗争史 (ちくま文庫)

究極のドラマ 実録ヤクザ映画で学ぶ抗争史 (ちくま文庫)


[][][][][]春のうた を読む(その24) 16:53 はてなブックマーク - 春のうた を読む(その24) - 蜀犬 日に吠ゆ

47

 ももづたふ磐余(いはれ)の池に鳴く鴨を今日のみ見てや雲隠(くもがく)りなむ

              大津皇子(おおつのみこ)

 『万葉集』巻三挽歌。天武天皇の遺子大津皇子が、反逆罪の汚名のもとに奈良の磐余(いわれ)の池のほとりで処刑された時、涙しつつ歌ったとされる臨終歌。「ももづたふ」は「イ」音にかかる枕詞。「雲隠る」は死ぬこと。この池に鳴く鴨を見るのも今日を限りとして、私はこうして死んでゆくのか。二十四歳の文武に秀でた皇子は宮廷の権力争いの犠牲としてはかなく散り、悲しみにくれる皇子の妃は、はだしで遺体にかけより、殉死した。

大岡信『折々のうた』岩波新書

 「イ」音にかかる枕詞! そういうのもあるのか!! でもなんで「イ」でしょうね。いぐさの「い」だと「つたう」という感じじゃないですからねえ。「ももづたふイラチ」とか「ももづたふイギリス」とか「ももづたふイタクヮ」とか、そういうのありですかね。


48

 ぜんまいののの字ばかりの寂光土(じゃくくわうど)

            川端茅舎(かわばたぼうしゃ)

 句集『華厳』(昭一四)所収。人っ子ひとりいない、やや湿りけをおびた森閑たる原野に、「の」のじに巻いた首をちょこんと立てたゼンマイが立ち並ぶ。その光景が、作者の心眼に、光明の遍照する寂光浄土を瞬時に開いてみせたのである。茅舎は岸田劉生に学んで画家を志したこともあったが、劉生没後絵を離れた。脊椎カリエスを病む。病苦の中で仏典に親しみ、句の中に清浄感を確立した。

大岡信『折々のうた』岩波新書

 「切れ」の点ではやや物足りないように思えますが、ゼンマイの生い茂る沼のそばに、現実と理想郷とが結びつけられるという、幻想的な句。

折々のうた (岩波新書 黄版 113)

折々のうた (岩波新書 黄版 113)

*1:理由を探ると何かあるのかなあ。