蜀犬 日に吠ゆ

2011-04-18

[][]ヤクザと活動屋の虚々実々~~山平重樹『実録ヤクザ映画で学ぶ抗争史』ちくま文庫 16:53 はてなブックマーク - ヤクザと活動屋の虚々実々~~山平重樹『実録ヤクザ映画で学ぶ抗争史』ちくま文庫 - 蜀犬 日に吠ゆ

 

北陸代理戦争

交錯した虚構と現実

『北陸代理戦争』は、昭和五二年一月から二月五日にかけて、福井県の三国(みくに)、芦原(あわら)の両町でロケーションを行っている。川内が菅谷組から破門された直後の一月三一日、福井県警が東映にロケの自粛を申し入れる一幕もあった。

 これに対する東映の回答は、

「二月二六日公開を目指して撮影が進んでおり、映画の中止はありえない」

 というものであった。

 映画人の気骨というより、そのしたたかさはむしろ、ヤクザのうえを行っているということであろう。よく笑い話で、

「山口組が東映を食いものにしたなんて話はひとつもない。むしろ徹頭徹尾、山口組を食いものにしたのが東映株式会社」

 と、映画関係者からも指摘される所以である。

 高田氏もこう述べている。


《そういう意味で、我々物書き、とくに活動屋なんてものは、たいへんな貪欲さがある。政治家であれ、ヤクザであれ、活動屋には勝てないんですよ。やくざが死のうが何しようが、平然と食い物にして、なんでもお金にしようとする。それぐらいの貪欲さを我々は持っているし、作る企業側も持っているあいだが、映画産業というものは精彩を放つんではないですか。この貪欲さをなくしたとき、エンターテインメントという力をほんとうに失っていくんじゃないかという気はすごくしています。これはヤクザを越えたやくざ性とも言うべきものでしょうね》(前掲書)


 いやはや、聞きしに勝る活動屋気質のものすごさよ。

山平重樹『実録ヤクザ映画で学ぶ抗争史』ちくま文庫

 引用中の(前掲書)とは、高田宏治・西谷拓哉『高田宏治 東映のアルチザン』カタログハウス。

究極のドラマ 実録ヤクザ映画で学ぶ抗争史 (ちくま文庫)

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