蜀犬 日に吠ゆ

2011-05-30

[][][]変な名前は避けましょう~~安良岡康作『徒然草』旺文社 13:52 はてなブックマーク - 変な名前は避けましょう~~安良岡康作『徒然草』旺文社 - 蜀犬 日に吠ゆ

第百十六段

 寺院の号(がう)、さらぬ万(よろづ)の物にも、名を付くる事、昔の人は、少しも求めず、たゞ、ありのまゝに、やすく付けけるなり。この比(ころ)は、深く案じ、才覚をあらはさんとしたるやうに聞(きこ)ゆる、いとむつかし。人の名も、目慣(めな)れぬ文字(もんじ)を付かんとする、益なき事なり。

 何事も、珍(めづ)らしき事を求め、異説を好むは、浅才(せんざい)の人の必ずある事なりとぞ。

安良岡康作『徒然草』旺文社
徒然草 (対訳古典シリーズ)

徒然草 (対訳古典シリーズ)

第百十六段

 寺院の名称や、そのほかのいろいろな物にも名前をつけることは、昔の人は、ちっとも思案をこらすことなく、ただ、ありのままに、気がるに名づけたのである。ところが、最近は、よくよく工夫を凝らし、、才の働きを示そうとしているように名前のつけ方が受けとれるのは、実にわずらわしいことだ。人の名も、読みなれない文字を使って付けようとするのは、何の益もないことである。

 何事についても、珍奇なことを強いて探し、通説と変わった見解を知りたがるのは、学才の乏しい人の必ずやることであるという。

安良岡康作『徒然草』旺文社