蜀犬 日に吠ゆ

2011-06-16

[][][][][]夏のうた を読む(その38) 18:41 はてなブックマーク - 夏のうた を読む(その38) - 蜀犬 日に吠ゆ

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 青うみにまかゞやく日や。とほ\/゛し 妣(ハハ)が国べゆ 舟かへるらし

               釈 迢空(しゃくちょうくう)


 『海やまのあひだ』(大一四)所収。迢空は独創的な研究で古代学に貢献した国文学者・民俗学者折口信夫の、歌人としての筆名。しばしば離島や山間を探訪し、村人の民俗を調査して歩いた。旅中詠に秀作が多いのは、そこに迢空の時間・空間両面にまたがる旅ごころが最も深く息づいたからだろう。右は大正元年八月、教え子の中学生二人を連れての奥熊野の旅の作。南海のはてに日本人の原郷を夢見る朗々たる歌。

大岡信『折々のうた』岩波新書

 まあ、夢見てろ。柳田→宮本の民俗学は、いわゆる民族学といつ袂をわかったのでしょうね。とにかく、「科学」であることを否定したわけでしょう。レヴィ=ストロースの民族学を受け入れるなら、こないだの国会の「今上は125th」は科学的に証明されてないけど、「史学」「法学」「文化人類学」「民俗学」あたりは全滅ってことでいいのかなあ。

 人文学でいうなら125thは、、、まあいいか。「大日本帝国」は主導部がキチガイです、「日本国」は主導部も国民も、市民権のない「住所不定無職」もキチガイです。


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 何処(いづく)にか船泊(ふなは)てすれむ安礼(あれ)の崎(さき)漕(こ)ぎみるきし棚無(たなな)し小舟(をぶね)

                高市連黒人(たけちのむらじくろひと)


 『万葉集』巻一雑歌。黒人は柿本人麻呂より少し後の宮廷詩人。『万葉集』に十数首の旅の歌を残すのみだが、そのわずかな歌により「キ旅」の歌人としての名声をもつ。横板もない粗末な小舟が安札の崎の漕ぎめぐっていったが、今ごろどこで一夜の泊まをしているのかしら。昼間海上ですれちがったか、あるいは海辺から見かけたのか、その危うげな小舟と舟人を、ゆくりなく夜の闇に思い出している旅人の孤(ひと)り心。

大岡信『折々のうた』岩波新書

 なんでかシラネーけど、日本は海軍より陸軍が偉そうで、実際強いよなあ。

折々のうた (岩波新書 黄版 113)

折々のうた (岩波新書 黄版 113)