蜀犬 日に吠ゆ

2011-07-13

[][][][]馮夢竜 太田辰夫『平妖伝』大系36 平凡社 を読む(その6) 21:45 はてなブックマーク - 馮夢竜 太田辰夫『平妖伝』大系36 平凡社 を読む(その6) - 蜀犬 日に吠ゆ

第四回 老狐 おおいに半仙堂を閙(さわ)がし/太医(たいい) 細かに三支脈を弁ず

 閙がしてるレベルが、孫悟空先輩に比べるとたいしたことないので、見出し詐欺かしらと思ってしまう。

 さて、益州の名医厳本仁は三本指を当てるとたちまち名信断を下すので厳三点と呼ばれていました。それが州知事の病気のみならずその奥方の産褥まで見抜いたため、知事は尊敬ひとかたならず、厳半仙と呼ぶのでした。乞食婆に扮した老狐聖姑姑が訪ねる名医こそ、この厳三点です。

 厳三点は貧しい人たちにも施術していましたから、門前市をなす状態であり乞食婆の姿では入り込むすきもありません。結局その日の診療時間が終わった夕暮れに入り込もうとします。門を閉めるために出てきた書生や、また執事とすったもんだがあって、厳三点にようようあうと、たちまち獣であることを見抜かれてしまいます。

 「おおいに半仙堂を閙がし」、って、死んだふりかい。

 厳三点の予言。左黜の傷は治るが左足の機能は全快はしない。妹である胡永児にも禍が起こるが、厳三点ほどのものでも推しはかることもできない災難である。人を惑わす妖狐であることはやめて、師を求め道を訪ねるべきだ、と。

 老弧は洞穴に帰り、厳三点の処方のとおり丸薬膏薬を使って傷は癒えてゆきます。聖姑姑は息子を左瘸と名を改めて半仙の明察を尊ぶのでした。

 しかし左瘸のほうではおさまりません。傷が癒えたら仇を討つつもりだと母親に相談します。それに母がどう答えたのか、それは次の回で。

中国古典文学大系 (36)

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