2011-09-17
■ [筆記][国文][評論][折々のうた][秋歌]秋のうた を読む(その41) 
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よろこべばしきりに落つる木(こ)の実(み)かな
富安風生(とみやすふうせい)
『草の花』(昭八)所収。昭和五十四年二月、九十三歳で逝去した作者が、四十八歳で出した第一句集の代表作。風生晩年の句には、大切に老年期へ乗り入れた人の、腰のすわった風格があるが、普通、風生といえばまずあげられるのがこの句。よく知られているのに、何度読んでも古びが来ないのは大したものだと思わせられる。作者の心が自然界に対していきいきと開かれているのだ。それに、無技巧にみえて実際は句に隙(すき)がないのである。
大岡信『折々のうた』岩波新書
身近に樹が生えてない、、、。

- 作者: 大岡信
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2003/05/20
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