蜀犬 日に吠ゆ

2012-06-06

[]もはや革命しかない! 20:46 はてなブックマーク - もはや革命しかない! - 蜀犬 日に吠ゆ

火星の大統領カーター

その3 または火星の前大統領カーター

「しかし武部本一郎画伯の挿絵で見たら、さぞかし見事な光景でしょうな――

栗本薫『火星の大統領カーター』ハヤカワ文庫JA
火星の大統領カーター (ハヤカワ文庫JA)

火星の大統領カーター (ハヤカワ文庫JA)

残念! 吾妻ひでお!!

火星の大統領カーター

その4 または火星のトプシダー

「ところで、さっき云いわすれましたが、もうひとつありましたよ。わたしの書きたい話」

 マメカスは云った。

「なんだ。『もう側杖はくわない』か、『誰も書かなかった火星』か」

「そんなものじゃないです。大体、私は、文句を云いたい。どうして、われわれ緑色人だけが、こんなひどいすがたをしてなきゃならんのです? だってそうでしょう。赤色人なんざ、美人ぞろいで、黒色人も黄色人もまずまずだ。ホーリー・サーンだってユル・ブリンナーかテリー・サバラスかアイリーアかというハゲ頭だが、しかしふぁいどーるのようなべっぴんもいる。しかるになぜ、われわれだけが、こんなひどいかっこをしてなきゃならんのです。差別ですよ、これは。私は断固抗議しますね。火星における緑色人差別の実態。タイトルは――」

「なんとなく緑色人ってのはどうかね」

「あなたもバカにするんですか」

「しない、しない。じゃ緑一色殺人事件」

「そんなふざけてる場合じゃない。緑色革命ですよ、『緑色革命』。書き出しも決まっています。『いまや火星の上を一個の怪物が歩きまわっている。緑色人という怪物が』……」

「なるほど。ご尤も」

「あっ。ばかにしたでしょう。いいですか、二度と緑ということばを口に出さないで下さい。云ったらただじゃおきませんよ。森ミドリとか、緑色便とか、緑黄色野菜とか、緑のおばさんとか――」

「自分で云っとるではないか。や、これはなんだ」

栗本薫『火星の大統領カーター』ハヤカワ文庫JA

 しかし、挿絵がモンスターですからねえ。

 名誉回復には、やはり革命しかないのでしょうか。


火星の大統領カーター (ハヤカワ文庫JA)

火星の大統領カーター (ハヤカワ文庫JA)