蜀犬 日に吠ゆ

2012-12-11

[][][]狂人(きゃうじん)の真似とて大路(おほぢ)を走らば、即(すなは)ち狂人なり~~西尾実・安良岡康作『徒然草岩波文庫 19:25 はてなブックマーク - 狂人(きゃうじん)の真似とて大路(おほぢ)を走らば、即(すなは)ち狂人なり~~西尾実・安良岡康作『徒然草』岩波文庫 - 蜀犬 日に吠ゆ

新訂 徒然草 (岩波文庫)

新訂 徒然草 (岩波文庫)

第八五段

 人の心すなほならねば、偽りなきにしもあらず。されども、おのづから、正直(しゃうぢき)の人、などかなからん。己れすなほならねども、人の賢を見て羨むは、尋常(よのつね)なり。至りて愚かなる人は、たま\/賢なる人を見て、これを憎む。「大きなる利を得んがために、少しきの利を受けず、偽(いつは)り飾りて名を立てんとす」と謗(そし)る。己れが心に違(たが)へるによりてこの嘲りをなすにて知りぬ、この人は、下愚の性移るべからず、偽(いつは)りて小利(せうり)をも辞すべからず、仮りにも賢を学ぶべからず。

 狂人(きゃうじん)の真似とて大路(おほぢ)を走らば、即(すなは)ち狂人なり。悪人の真似とて人を殺さば、悪人なり。驥を学ぶは驥の類ひ、舜を学ぶは舜の徒(ともがら)なり。偽りても賢を学ばんを、賢といふべし。

西尾実・安良岡康作『徒然草』岩波文庫

 「狂人(きゃうじん)の真似とて大路(おほぢ)を走らば、即(すなは)ち狂人なり。」というのは、婉曲表現なのですよね。後ろに核心がある。