蜀犬 日に吠ゆ

2013-01-10

[][][][]ミリオネヤ星グルメ 21:56 はてなブックマーク - ミリオネヤ星グルメ - 蜀犬 日に吠ゆ

 二一世紀のお金持ちが食べたいもの。

 トチメンボとアカチバラチの謎は解きました。あとは、アバラカベッソンか。

 しかし、炭素の結晶にSF的にはどれほどの価値があるのか少し考えてしまいました。

 東南アフリカの「ブラディ・ダイアモンド」は、ゴロゴロしているダイアモンドがよそに売れることから生まれる悲劇です。

 ダイアモンドが銀河系全体で価値があるなら多国籍企業が放っておかないでしょう。 ワープ航法があるわけですからエネルギーコストと引き替えてもダイアモンドが遥かに高価値と言うことは、どういう事なのでしょう。むしろ新石器・縄文の「黒曜石交易」なのかと思ってしまいます。流通経路の整備が出来ていないからこうした地域差が生じるのでしょうか。

 もし地球だけでダイアモンドの価値が残されているなら、地球は移民制限と関税障壁によるガラパゴス惑星だということになります*1。……そんな感じか。

藤子・F・不二雄大全集 21エモン

藤子・F・不二雄大全集 21エモン

 『鉄腕アトム*2 *3』に、月の裏側にはダイアモンドがゴロゴロしている話があったように記憶しているのですが、アトムは手元にないので参照できません。たしか地球の古代に高度な文明が発達して月に小惑星を撃ち込み、その超高温と超高圧で人造ダイヤモンドを大量生産していたというところからはじまり、古代文明が滅んだ後、地球からは観測できない月の裏側にはダイヤがゴロゴロしていて、それをねらう盗賊団とアトムが戦うはなし。人造ダイヤモンドの大量生産くらいはできていてよさそうですが、原子力を制御できない現生人類ではエネルギーバランスがとれないのか。




[][][]金剛杵(ヴァジュラ)(その2)~~上村勝彦『インド神話 マハーバーラタの神々』ちくま学芸文庫 19:25 はてなブックマーク - 金剛杵(ヴァジュラ)(その2)~~上村勝彦『インド神話 マハーバーラタの神々』ちくま学芸文庫 - 蜀犬 日に吠ゆ

 ヴァジュラの戦果

インド神話―マハーバーラタの神々 (ちくま学芸文庫)

インド神話―マハーバーラタの神々 (ちくま学芸文庫)

第二章 叙事詩の神話

第四話 海水を飲みほしたアガスティヤ仙

 インドラはダディーチャ仙の骨から造られた武器ヴァジュラを持ち、強力なる神々に守られて、天地をおおっているヴリトラを攻撃した。ヴリトラは巨体を持つ悪魔(カーレーヤあるいはカーラケーヤと呼ばれる)たちにとり囲まれている。かくて神軍と魔軍との熾烈な戦闘が始まり、悪魔たちは黄色い鎧を着け、鉄棒を振りかざし、山火事のように神々を襲った。

 神々はたまらず退却した。彼らが恐怖にかられ、またヴリトラがますます勢いづくのを見て、インドラは非常に意気沮喪した。それを知って、ヴィシュヌ神は自己の威光(テージャス)をインドラに注入して彼の力を増大させ、他の神々や聖仙たちもそれに倣って彼を力づけた。

 神の王が力を得たことを知ると、ヴリトラは大きな雄叫びを上げ、それによって全天地は振動した。それを聞いて大インドラは恐怖にかられ、あわててヴァジュラを放った。巨大なアスラ(ヴリトラ)はヴァジュラにうたれて大山のように倒れた。しかし、インドラはヴリトラが死んだにもかかわらず、恐怖にかられて湖水に飛びこもうとして走った。恐ろしさのあまり、彼はヴァジュラが自分の手を離れたことも、ヴリトラが死んだことも知らなかったのである。(『リグ・ヴェーダ』の偉大な戦士も、ここでは喜劇的な英雄として描かれている。)

上村勝彦『インド神話 マハーバーラタの神々』ちくま学芸文庫

 自動的に当たるのは、宝貝に似ていますね。マジック・アイテムって便利だなあ。





[][][]金剛杵(ヴァジュラ)~~上村勝彦『インド神話 マハーバーラタの神々』ちくま学芸文庫 19:25 はてなブックマーク - 金剛杵(ヴァジュラ)~~上村勝彦『インド神話 マハーバーラタの神々』ちくま学芸文庫 - 蜀犬 日に吠ゆ

 ヴァジュラの由来

インド神話―マハーバーラタの神々 (ちくま学芸文庫)

インド神話―マハーバーラタの神々 (ちくま学芸文庫)

第二章 叙事詩の神話

第三話 金剛杵(ヴァジュラ)の由来

 黄金時代(クリタ・ユガ)においても、獰猛な悪魔たちが跳梁していた。彼らはヴリトラを首領として、いたるところでインドラ(帝釈天)にひきいられた神々に襲いかかった。そこで神々はヴリトラを殺そうと計画し、インドラを先頭として梵天(ブラフマー)のところへ行って相談した。梵天は合掌している彼らに告げた。

「諸君の企てはすべてわかった。ヴリトラを殺す方法を教えよう。ダディーチャという偉大な聖仙がいる。皆で彼のもとに行き、望みをかなえてくれるように頼みなさい。敬虔な彼は喜んで望みをきいてくれるだろう。諸君は三界の安寧のために、彼に、骨を下さいと頼め。彼は身を捨てて、自分の骨をくれるであろう。その骨で、このうえなく恐ろしくて堅固なヴァジュラ(金剛杵)をつくれ。インドラはその武器でヴリトラを殺すであろう。私はすべてを語った。速やかに実行せよ。」

 梵天の言葉を聞いて、神々はサラスヴァティー川の向こう岸にあるダディーチャの隠棲処へ行った。彼らはそこで太陽のごとく輝くダディーチャに会い、その足下にひれ伏して望みをかなえてくれと頼んだ。するとダディーチャは非常に喜んで、彼らにこう答えた。

「私は今日、あなた方のお役に立ちましょう。あなた方のために身を捨てます。」

 とそう言うと、その偉大な聖者は突然息をひきとったのである。そこで神々は教えられた通りに彼の骨をとり出して、トゥヴァシュトリ(工巧神)を呼んで目的を告げた。トゥヴァシュトリは彼らの頼みを聞いて勇み立ち、一心不乱に仕事に励み、こよなく恐ろしい形をしたヴァジュラを造り上げ、シャクラ(インドラ)に告げた。

「このヴァジュラの打撃により、今日、獰猛な神の敵を粉砕しなさい」と。

 都市の破壊者(インドラ)は、喜んでそのヴァジュラをつかんだ。(『マハーバーラタ』三・九八、以下の話は第四話に続く。)


 (後略)

上村勝彦『インド神話 マハーバーラタの神々』ちくま学芸文庫

 インドラの二つ名「都市の破壊者」は、こういうときには不適当な表現ではないでしょうか。豪快なとばっちりが都市民に降りかかりそうです。

[][][][][]冬のうた を読む(その26) 19:31 はてなブックマーク - 冬のうた を読む(その26) - 蜀犬 日に吠ゆ

 一年ぶり。

51

 いくたびも雪の深さを尋(たづ)ねけり

              正岡子規


 子規自筆稿本『寒山落木』巻五(明治二十九年の巻)所収。「病中書」と前書きある四句の一つ。この年、子規は腰痛でほとんど病床を離れ得ぬほどの重症だった。同時作に「雪ふるよ障子の穴を見てあれば」があるが、何といっても掲出句が出色。珍しいほどの大雪が降ったという戸外の景色を思いえがきつつ、何度も看護の母や妹に積雪の状態をたずねたのだ。俳句の省略された語法が、病人の心躍り、空想、憧れを表現し得て、言うに言われず深い。

大岡信『折々のうた』岩波新書

 うまい俳句です。子規はさすがとしか言いようがありません。


52

 今はには何をか言はん世の常にいひし言葉ぞ我(わが)心なる

                    伴信友(ばんのぶとも)


 若狭(わかさ)国(福井県)小浜藩士。藩務で江戸や京に勤めること多年に及んだ後、辞して学問一本に専心、和漢の学を深くきわめた文化文政期最高の学者の一人。本居宣長を慕い近世考証学の雄となった。著作百余に及ぶが、平安から室町に至る神事歌、舟歌、田歌その他の雑唱を収録した『中古雑唱集』もその一つ。右はそういう大学者の辞世の歌である。辞世にもいろいろあるが、この歌の心のごときを本来の平常心というのだろう。

大岡信『折々のうた』岩波新書

 「鳥の将に死なんとするや、其の鳴くこと哀し。人の将に死なんとするや、其の言うこと善し。」(『論語』泰伯篇)の逆ですね。つねづね慎重な発言をしているので日常の現行で十分。機会を見てドラマチックにことだてする必要はない、と。

折々のうた (岩波新書 黄版 113)

折々のうた (岩波新書 黄版 113)

[][][]一月一〇日 「このオレが」 15:04 はてなブックマーク - 一月一〇日 「このオレが」 - 蜀犬 日に吠ゆ

一月一〇日

「このオレがしっかりしなくちゃ」で四方が明るくなる。

「このオレなんかどなってもよい」で四方が暗くなる。

電気のなかった子ども当時、毎日石油ランプのホヤを磨きながら、夜を明るくしたいなら努力が必要だと考えた。当時の思いを今のコトバで言えば、

――人間の希望は、人間の努力を食べたがる。ウンと食べさせようよ。

むのたけじ『一日一言』岩波新書
99歳一日一言 (岩波新書)

99歳一日一言 (岩波新書)

*1:日本みたい

*2:アトムが活躍したのって、2013年のTOKYOでしたよね。ヒゲオヤジが、「2013年が聞いて呆れる、オレは浴衣で下駄履きしてるし、渋ガキなんてボウズですぜ」とけちをつけていましたが、現実は、エア・カーというわけにはいかなかったようです。

*3:ジェッターマルスは2014年