2013-04-15
■ [筆記][箴言][むのたけじ]四月一五日~~吉田松陰の松下村塾の 
四月一五日
吉田松陰の松下村塾の中や外に半日座って空気を吸い、いろんな話を聞いた。松陰さんは、学びたい誰にでも、職業や貧富なんかは無関係に学ぶ場を提供した。そこでは、七面倒くさい理屈やむずかしい言葉は言わせなかった。世の中がどうなっていて、これからどうなるか、どうならねばならぬか、歴史の流れというべきものを誰にも大づかみにつかませようとした。素敵な方針ですね。だからこそ教室一個のちっぽけな場所での二年間での活動で、時代を作る人々を育て上げたわけですね。ああ、それと同じことが今の私たちの学習にほしい、本当にほしいな。よし、実現するのだ。
むのたけじ『一日一言』岩波新書
江戸幕末期の評価にはいろいろあって、昔のように頑迷固陋な幕府が時代について行けなかったという評価は、それ自身が時代遅れになっていますね。しからば、明治維新とは何だったのか、という大上段の問いかけにはこれという定説が出ていないようです。
そういう混沌とした時代があり、はっきりしているのは薩長藩閥政府の成立である、ということを考えると吉田松陰の存在の不思議さと影響の大きさには驚かされます。史実を積み重ねていった「愚直にまで理想を貫こうとする国学者」という姿と、「死んだ後、新しい時代を造ろうとすると先回りのように松陰がいる」という発見。

- 作者: むのたけじ
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2013/11/21
- メディア: 新書
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