蜀犬 日に吠ゆ

2013-08-12

[][][]八月一二日 ラブレターを書きたいという 16:31 はてなブックマーク - 八月一二日 ラブレターを書きたいという - 蜀犬 日に吠ゆ

八月一二日

ラブレターを書きたいという人に出会った。オメデトウと一〇〇回も言ってやりたかった。

全身全霊を込めて正直に愛の手紙を書きなさい。すると、あなたの体内は大掃除をしたように清潔になり、そして文章を書くことについて最高の学習を経験します。

むのたけじ『一日一言』岩波新書
99歳一日一言 (岩波新書)

99歳一日一言 (岩波新書)

もちろん文章の鍛錬のために恋文を認(したた)めるのではないでしょう。しかし、仮令(たとひ)失恋に終わっても、心が恋の炎で浄化されたことを感じろ、というのでしょうか。よくわかりません。

一方で、王陽明先生の言葉。

伝習録 下巻 三三

 或る門人が、その友人の旅立ちを送る文をつくったあとで、先生に問うた。

「文章をつくるときには、思いのかぎりをこらすため、書き終わったあとも、二、三日は頭にきざみこまれたままですが、これはどうお考えになりますか」

 いう、「文章に思索をめぐらすこと自体に害はないが、ただ書き終わってしまってからも頭からはなれないというのは、文章というものにこりかたまって、心の中に一つの物が付着することで、これはよくない」

 また或るものが人を送る詩をつくった。先生がその詩を読み終わって、その人にいう、「およそ文章をつくる場合は、自分が実感できる範囲に即してしなければならない。もしあまりにそれを超えたことをいうと、それは『辞(ことば)をよく修(ととの)えて誠を立(つらぬ)きとおす』(『易経』乾卦、文言伝)ことに反する」

王陽明『伝習録』中公クラシックス
伝習録 (中公クラシックス)

伝習録 (中公クラシックス)