2013-09-24
■ [筆記][箴言][むのたけじ]九月二四日 スイスを旅した 
九月二四日
スイスを旅した時、いろんな仕事のスイス人たちに、
「観光という産業をどう思いますか」
と問うた。
「ありがたい産業だが、あまり当てにしてはならない」
という反応が多かった。二つの声を紹介する。
「観光産業は俄雨(にわかあめ)みたいなものだ。地表を勢いよく流れるが、下層にまで染みこまない」
「当てになる仕事は物づくりだ。だからスイス人は兵器作りにも熱心で、交戦している両国のどちらにも同じ兵器を売っている」
あなた方はどう思いますか。
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「観光立国」の空虚さはわかります。都市国家規模であるならともかく、日本の主要産業にはなり得ないでしょう。
物づくり→兵器産業、とたたみかけるあたりむの先生も心得ていらっしゃいますが、これは前日の「飛行機」や「船」の話と同じで、近代産業のもつ「業(カルマ)」のようなものなのではないでしょうか。
何を産業の中心にしてもよい、大切なのは人材の育成だ→傭兵輸出、という部分もスイスの一面にはあるわけですし、それでスイス人がそういう現状に胸を張っているわけでもないでしょうし。
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