蜀犬 日に吠ゆ

2013-12-09

[][][]小なる章を読む(その24) 21:17 はてなブックマーク - 小なる章を読む(その24) - 蜀犬 日に吠ゆ

第二 小なる章

一二、ヴァンギーサ

三五四 カッパ師が清らかな行いを行って達成しようとした目的は、かれにとって空しかったのでしょうか? かれは、消え滅びたのでしょうか? それとも生存の根源を残して安らぎに帰したのでしょうか? かれはどのおうに解脱したのでしょうか、――わたくしたちはそれを聞きたいのです。」

三五五 師は答えた、「かれはこの世において、名称と形態とに関する妄執を断ち切ったのである。長いあいだ陥っていた黒魔の流れを断ち切ったのである。」五人の修行者の最上者であった尊き師はそのように語られた。

三五六 (ヴァンギーサいわく、)「第七の仙人(ブッダ)さま。あなたのお言葉を聞いて、わたくしは喜びます。わたくしの問いは、決してむだではありませんでした。バラモンであるあなたは、わたくしをだましません。

三五七 目覚めた人(ブッダ)の弟子(ニグローダ・カッパ)は、ことばで語ったとおりに実行した人でした。ひとを欺く死魔のひろげた堅固な網を破りました。

三五八 先生! カッパ師は執著の根元を見たのです。ああ、カッパ師は、いとも渡りがたい死魔の領域を超えたのです。」

中村元『ブッダのことば』岩波文庫
ブッダのことば―スッタニパータ (岩波文庫)

ブッダのことば―スッタニパータ (岩波文庫)