蜀犬 日に吠ゆ

2013-12-12

[][][]小なる章を読む(その26) 21:05 はてなブックマーク - 小なる章を読む(その26) - 蜀犬 日に吠ゆ

第二 小なる章

一三、正しい遍歴

三六四 かれが、生存を構成する要素のうちに堅固な実態を見出さず、諸々の執著されるものに対する貪欲を慎しみ、こだわることなく、他人に誘(ひ)かれないならば、かれは正しく世の中を遍歴するであろう。

三六五 ことばによっても、こころによっても、行為によっても、逆らうことなく、正しく理法を知って、ニルヴァーナの境地をもとめるならば、かれは正しく世の中を遍歴するであろう。

三六六 修行者が、『かれはわれを拝む』と思って高ぶることなく、罵られても心にふくむことなく、他人から食物を与えられたからとて驕ることがないならば、かれは正しく世の中を遍歴するであろう。

三六七 修行者が、貪(むさぼ)りと迷いの生存(の望み)を捨てて、(生きものを)切ったり縛ったりすることをやめ、疑惑を超え、(煩悩の)矢を抜いたのであれば、かれは正しく世の中を遍歴するであろう。

三六八 修行者が、自分に適当なことを知り、世の中で何ものをも害(そこな)うことなく、如実に理法を知っているのであるならば、かれは正しく世の中を遍歴するであろう。

三六九 彼にとっては、いかなる潜在的妄執も存せず、悪の根が根こそぎにされ、ねがうこともなく、求めることもないならば、かれは正しく世の中を遍歴するであろう。

三七〇 煩悩の汚れはすでに尽き、高慢を断ち、あらゆる貪りの路を超え、みずから制し、安らぎに帰し、こころが安立しているならば、かれは正しく世の中を遍歴するであろう。

中村元『ブッダのことば』岩波文庫
ブッダのことば―スッタニパータ (岩波文庫)

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