蜀犬 日に吠ゆ

2013-12-17

[][][]小なる章を読む(その31) 20:59 はてなブックマーク - 小なる章を読む(その31) - 蜀犬 日に吠ゆ

第二 小なる章

十四、ダンミカ

三九三 次に在家の者の行うつとめを汝らに語ろう。このように実行する人は善い(教えを聞く人)(仏弟子)である。純然たる出家修行者に関する規定は、所有のわずらいある人(在家者)がこれを達成するのは実に容易ではない。

三九四 生きものを(みずから)殺してはならぬ。また(他人をして)殺さしめてはならぬ。また他の人々が殺害するのを容認してはならぬ。世の中の強剛な者どもでも、また怯えている者どもでも、すべての生きものに対する暴力を抑えて――。

三九五 次に教えを聞く人は、与えられていないものは、何ものであっても、またどこにあっても、知ってこれを取ることを避けよ。また(他人をして)取らせることなく、(他人が)取り去るのを認めるな。なんでも与えられていないものを取ってはならぬ。

三九六 ものごとの解った人は婬行を回避せよ。――

燃えさかる炭火の坑を回避するように。

もし不婬を修することができなければ、

(少くとも)他人の妻を犯してはならぬ。

三九七 会堂にいても、団体の内にいても、

何ぴとも他人に向って偽りを言ってはならぬ。

また他人をして偽りを言わせてはならぬ。

また他人が偽りを語るのを容認してはならぬ。

すべて虚偽を語ることを避けよ。

三九八 また飲酒を行なってはならぬ。

この(不飲酒の)教えを喜ぶ在家者は、他人をして飲ませてもならぬ。他人が酒を飲むのも容認してもならぬ。

 これは終(つい)に人を狂酔せしめるものであると知って。――

三九九 けだし諸々の愚者は酔いのために悪事を行い、

また他の人々をして怠惰ならしめ、(悪事を)なさせる。

この禍いの起るもとを回避せよ。

それは愚人の愛好するところであるが、しかしひとを狂酔せしめ迷わせるものである。

中村元『ブッダのことば』岩波文庫
ブッダのことば―スッタニパータ (岩波文庫)

ブッダのことば―スッタニパータ (岩波文庫)

[][][]金谷治訳注『大学・中庸岩波文庫 「第二章」 21:20 はてなブックマーク - 金谷治訳注『大学・中庸』岩波文庫 「第二章」 - 蜀犬 日に吠ゆ

第二章 凡そ四節

所謂誠其意者、毋自欺也、如悪悪臭、如好好色、此之謂自謙、故君子必慎其独也、

小人閒居為不善、無所不至、見君子而后厭然揜其不善而著其善、人之視己、如見其肺肝然、則何益矣、故君子必慎其独也、

曾子曰、十目所視、十手所指、其厳乎、富潤屋、徳潤身、心広体胖、(此謂誠於中、形於外、)故君子必誠其意、

謂わゆるその意を誠にすとは、自ら欺く毋(な)きなり。悪臭を悪(にく)むが如く、好色を好むが如くする、此を自ら謙(こころよく)(慊)すと謂う。故に君子は必ずその独を慎むなり。

小人閒居して不善を為し、至らざるところなし。君子を見て、而(しか)る后(のち)厭然としてその不善を揜(おお)いてその善を著(あら)わす。(然(しか)れども)人の己れを視ることその肺肝を見るが如く然(しか)れば、則ち何ぞ益せん。故に君子は必ずその独を慎むなり。

曾子曰わく、「十目の視る所、十手の指さす所、其れ厳なるかな」と。富は屋を潤おし、徳は身を潤おす。心広ければ体も胖(おおい)なり。此れを中(うち)に誠なれば外に形(あら)わると謂う。故に君子は必ずその意を誠にす。

金谷治『大学・中庸』岩波文庫
大学・中庸 (岩波文庫)

大学・中庸 (岩波文庫)