蜀犬 日に吠ゆ

2013-12-20

[][][]大いなる章を読む(その2) 18:30 はてなブックマーク - 大いなる章を読む(その2) - 蜀犬 日に吠ゆ

第三 大いなる章

一、出家

四〇八 目ざめた人(ブッダ)はマガダ国の(首都)・山に囲まれた王舎城に行った。すぐれた相好にみちた(目ざめた)人は托鉢のためにそこへ赴いたのである。

四〇九 (マガダ王)ビンビサーラは高殿の上に進み出て、かれを見た。すぐれた相好にみちた(目ざめた)人を見て、(侍臣に)このことを語った。

四一〇 「汝ら、この人をみよ。美しく、大きく、清らかで、行いも具わり、眼の前を見るだけである。

四一一 かれは眼を下に向けて気をつけている。この人は賤しい家の出身ではないようだ。王の使者どもよ、走り追え。この修行者はどこへ行くのだろう。」

四一二 派遣された王の使者どもは、かれのあとを追って行った。――「この修行者はどこへ行くのだろう。かれはどこに住んでいるのだろう」と。

四一三 かれは、諸々の感官を制し、よくまもり、正しく自覚し、気をつけながら、家ごとに食を乞うて、その鉢を速(すみや)かにみたした。

四一四 聖者は托鉢を終えて、その都市の外に出て、パンダヴァ山に赴いた。――かれはそこに住んでいるのであろう。

四一五 (ゴータマ(ブッダ)がみずからの)住所に近づいたのを見て、そこで諸々の使者はかれに近づいた。そうして一人の使者は(王城に)もどって、王に報告した、――

四一六 「大王さま。この修行者はパンタヴァ山の前方の山窟の中に、虎か牡牛のように、また獅子のように坐しています」と。

四一七 使者の言葉を聞き終わるや、そのクシャトリヤ(ビンビサーラ王)は壮麗な車に乗って、急いでパンタヴァ山に赴いた。

中村元『ブッダのことば』岩波文庫
ブッダのことば―スッタニパータ (岩波文庫)

ブッダのことば―スッタニパータ (岩波文庫)