蜀犬 日に吠ゆ

2013-12-28

[][][]金谷治訳注『大学・中庸岩波文庫 「第六章」 19:41 はてなブックマーク - 金谷治訳注『大学・中庸』岩波文庫 「第六章」 - 蜀犬 日に吠ゆ

第六章 凡そ四節

生財有大道、生之者衆、食之者寡、為之者疾、用之者舒、則財恒足矣、仁者以財発身、不仁者以身発財、未有上好仁、而下不好義者也、未有好義、其事不終者也、未有府庫財非其財者也、

孟献子曰、畜馬乗、不察於雞豚、伐冰之家、不畜牛羊、百乗之家、不畜聚斂之臣、与其有聚斂之臣、寧有盗臣、此謂国不以利為利、以義為利也、

長国家而務財用者、必自小人矣、彼為善之、小人之使為国家、葘害並至、雖有善者、亦無如之何矣、此謂国不以利為利、以義為利也、

 財を生ずるに大道あり。これを生ずる者衆(おお)く、これを食らう者寡(すく)なく、これを為(つく)る者疾(と)く、これを用(もち)うる者舒(ゆるや)かなれば、則ち財は恒(つね)に足る。仁者は財を以て身を発し、不仁者は身を以て財を発す。未だ上(かみ)仁を好みて下(しも)義を好まざる者はあらざるなり。未だ義を好みて其の事の終えざる者は有らざるなり。未だ府庫の財其の財に非(あら)ざる者は有らざるなり。

 孟献子曰わく、「馬乗(ばじょう)を畜(やしな)えば雞豚を察せず。伐冰(ばつひょう)の家には牛羊を畜わず。百乗の家は聚斂の臣を畜わず。其の聚斂の臣あらんよりは、寧ろ盗臣あらん」と。此れを、国は利を以て利と為さず、義を以て利と為す、と謂うなり。

 国家に長として財用を務むる者は、必ず小人を自(用)(もち)う。彼はこれを善しと為(おも)えるも、小人をして国家を為(おさ)めしむれば葘害(さいがい)並び至る。善き者(ひと)ありと雖も、亦たこれを如何ともするなきなり。此れを、国は利を以て利と為さず、義を以て利と為す、と謂うなり。

金谷治『大学・中庸』岩波文庫
大学・中庸 (岩波文庫)

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