蜀犬 日に吠ゆ

2013-12-29

[][][]大いなる章を読む(その9)四、スンダリカ・バーラドヴァージャ 23:17 はてなブックマーク - 大いなる章を読む(その9)四、スンダリカ・バーラドヴァージャ - 蜀犬 日に吠ゆ

第三 大いなる章

四、スンダリカ・バーラドヴァージャ

 わたくしが聞いたところによると、――或るとき尊き師(ブッダ)はコーサラ国のスンダリカー河の岸に滞在しておられた。ちょうどその時に、バラモンであるスンダリカ・パラドヴァージャは、スンダリカー河の岸辺で聖火をまつり、火の祀りを行なった。さてバラモンであるスンダリカ・パラドヴァージャは、聖火をまつり、火の祀りを行なったあとで、座から立ち、あまねく四方を眺めていった、――「この供物(そなえもの)を誰に食べさせようか。」

 バラモンであるスンダリカ・パラドヴァージャは、遠からぬところで尊き師(ブッダ)が或る樹の根もとで衣をまとって坐っているのを見た。見おわってから、左手で供物のおさがりをもち、右手で水瓶(みずがめ)をもって師のおられるところに近づいた。そこで師はかれの足音を聞いて、頭の覆いをとり去った。そのときバラモンであるスンダリカ・パラドヴァージャは「この方は頭を剃っておられる。この方は剃髪者である」といって、そこから戻ろうとした。そうしてかれはこのように思った、「この世では、或るバラモンたちは、頭を剃っているということもある。さあ、わたしはかれに近づいてその生れ(素姓)を聞いてみよう」と。

 そこでバラモンであるスンダリカ・パラドヴァージャは師のおられるところに近づいた。それから師にいった、「あなたの生れは何ですか?」と。

 そこで師は、バラモンであるスンダリカ・パラドヴァージャに詩を以て呼びかけた。

中村元『ブッダのことば』岩波文庫
ブッダのことば―スッタニパータ (岩波文庫)

ブッダのことば―スッタニパータ (岩波文庫)