蜀犬 日に吠ゆ

2014-01-16

[][][]大いなる章を読む(その17) 20:14 はてなブックマーク - 大いなる章を読む(その17) - 蜀犬 日に吠ゆ

第三 大いなる章

四、スンダリカ・バーラドヴァージャ

四八六 「目ざめた人(ブッダ)であるあなたさまは、お供えの菓子を受けるにふさわしい。あなたは最上の福田(ふくでん)であり、全世界の布施を受ける人であります。あなたにさし上げた物は、果報が大きいです。」

 そこでバラモンであるスンダリカ・バーラドヴァージャは、尊き師にいった、「すばらしいことです、ゴータマ(ブッダ)さま。すばらしいことです、ゴータマさま。あたかも倒れた者を起すように、覆われたものを開くように、方角に迷った者に道を示すように、あるいは『眼ある人々は色やかたちを見るであろう』といって暗闇の中に灯火をかかげるように、ゴータマさまは種々のしかたで理法を明らかにされました。だから、わたくしはゴータマさまに帰依したてまつる。また法と修行僧のつどいに帰依したてまつる。わたくしはゴータマさまのもとで出家し、完全な戒律(具足戒)を受けたいものです。」

 そこでバラモンであるスンダリカ・バードラヴァージャは、師のもとで出家し、完全な戒律を受けた。それからまもなく、このスンダリカ・バーラドヴァージャさんは独りで他から遠ざかり、怠ることなく精励し専心していたが、まもなく、無上の清らかな行いの究極――諸々の立派な人たち(善男子)はそれを得るために正しく家を出て家なき状態に赴いたのであるが――を現世においてみずからさとり、証し、具現して、日を送った。「生まれることは尽きた。清らかな行いはすでに完成した。なすべきことをなしおえた。もはや再びこのような生存をうけることはない」とさとった。そうしてスンダリカ・バーラドヴァージャさんは聖者の一人となった。

中村元『ブッダのことば』岩波文庫
ブッダのことば―スッタニパータ (岩波文庫)

ブッダのことば―スッタニパータ (岩波文庫)