蜀犬 日に吠ゆ

2014-02-10

[][][]丸谷才一『人形のBWH』文春文庫 08:55 はてなブックマーク - 丸谷才一『人形のBWH』文春文庫 - 蜀犬 日に吠ゆ

 

ロンメル戦記

 無理に名づければ身長史観とでもいふことになるかもしれない変なものを、わたしは多年、抱懐してゐる。そんなことになつたのは同時代人についての観察の結果ですが、これを詳しく述べると、同時代人のなかの丈(せい)の低い人たちに迷惑をかける。口をつつしまなければならない。

 ただ、この史観が成立するに当つて、野坂昭如さんが何十年か前に口にした、五十音順史観とでも呼ぶべきものが影響してゐることは言つてもかまはないかもしれぬ。あれを聞いてわたしは一笑し、一理あるかもね、と思つたのだつた。

 その説は、姓がアイウエオで、五十音図の前のほうに属してゐる人物は、小学生のときからはじめに呼ばれつけてゐるせいか、権力意志が強くなりがちだといふので、同時代の文化人数氏を具体例としてあげてゐた。それから、五十音図のあとのほうに来る人物は、同じ理由から権力意志が薄れがちだといふので、これは固有名をあげても差支へなからう、安岡章太郎とか吉行淳之介とかを例として出してゐた。

 わたしは先年、何かの拍子にふとこの説を思ひ出し、ただし野坂さんと違つてもつと気宇壮大に、秀吉も信長も家康も小男だつたにちがひない、それでそのくやしさをエネルギーにして天下が取れたと推定したのである。

丸谷才一『人形のBWH』文春文庫
人形のBWH (文春文庫)

人形のBWH (文春文庫)

2014-02-09

[][][]釈徹宗『ブッダの伝道者たち』角川選書 08:55 はてなブックマーク - 釈徹宗『ブッダの伝道者たち』角川選書 - 蜀犬 日に吠ゆ


はじめに

第1部 仏教体系の連峰

第1章 ゴータマ・ブッダ――ブッダとなった人  11
  • ブッダとなった人
  • ゴータマの出家
  • ブッダの悟り
  • ゴータマ・ブッダの先駆形態
  • 出会いへの歩み
  • 場と人と
  • ブッダ、中道を説く
  • 縁起の法
  • 自分の都合による歪み
  • サンガと都市
  • フェアとシェア
  • ブッダの入滅
  • 仏道への第一歩
  • ブッダの言葉
  • 無明―愛―苦
  • 無常
  • 智慧と慈悲
  • ブッダへの帰依から始まる道
  • 過去を追わず、予期不安にも振り回されず
  • 分かち合うことから始める
第2章 ナーガールジュナ――第二のブッダ
  • 仏教史上最大の転換期
  • ナーガールジュナ物語
  • 存在(もの・こと)の問題
  • ナーガールジュナの思想
  • 縁起とは空性
  • どこにも着地しない道
  • 六波羅蜜・諸仏・諸菩薩
  • テトラレンマ
  • 「空」を生きる
第3章 ヴァスバンドゥ――仏教の統合
  • ヴァスバンドゥという人物
  • 前期ヴァスバンドゥの『倶舎論』
  • 後期ヴァスバンドゥの「唯識」思想
  • 仏道としての唯識
  • 世界は心の表象に過ぎない
  • 現代人は唯識に注目せよ

第2部 日本で構築されたノーマライゼーション・ブディズム 111

第4章 蓮如――日常を営む仏道
  • 『維摩経』に見られる脱構築への営み
  • ノーマライズされていく仏教
  • 蓮如へと続く水脈
  • 研鑽期の蓮如
  • 蓮如、表舞台へ
  • 堅田へ
  • 吉崎へ
  • 手紙から見る蓮如の思想
  • 蓮如の求心力
  • 大坂へ
  • 本願寺教団との歯車が噛み合う
  • 脱呪術化
  • 日常を営む仏道
  • トリックスターとしての蓮如
  • 世俗の苦悩へ届く言葉
  • 受動態で語ることから始める仏道
第五章 鈴木正三――日本仏教の改革者
  • 雪山童子の物語
  • 『盲安杖』の著述
  • 正三、修行の旅
  • 旺盛な著述活動
  • 日常のなりわい、すなわち仏道
  • 正三の臨終
  • 正三の立脚点
  • 社会活動
  • あまりにも日本的な仏教
  • 仏法すなわち世法

  • むすび
  • あとがき
  • 参考文献
釈徹宗『ブッダの伝道者たち』角川選書
ブッダの伝道者たち (角川選書)

ブッダの伝道者たち (角川選書)

2014-02-08

[][][]恵美嘉樹『全国「一の宮」徹底ガイド』PHP文庫 08:27 はてなブックマーク - 恵美嘉樹『全国「一の宮」徹底ガイド』PHP文庫 - 蜀犬 日に吠ゆ

 読み始めました。

はじめに

 現代の日本には四十七の都道府県がありますが、江戸時代以前、こうした県にあたる地域を意味するものが「国」でした。古代日本にはそうした国が六十八カ国もあったのです。

 それぞれの国には、その地域でナンバーワンの「一の宮」とよばれる神社が存在します。なかには、複数の神社が「我こそは序列一位」だと主張する国もありますが、多くは一国につき一神社です。一の宮は約千年近く前に出来た制度といわれています。

恵美嘉樹『全国「一の宮」徹底ガイド』PHP文庫
全国「一の宮」徹底ガイド (PHP文庫)

全国「一の宮」徹底ガイド (PHP文庫)

2014-02-06

[][]清水義範『ドン・キホーテの末裔』岩波現代文庫(その3) 22:36 はてなブックマーク - 清水義範『ドン・キホーテの末裔』岩波現代文庫(その3) - 蜀犬 日に吠ゆ

 読了。もちろんバッチリ罠にかかりました。全然気づかなかった。

第12章 物語には話者と登場人物がおり、その両者は別物だと示される最後の章

清水義範『ドン・キホーテの末裔』岩波現代文庫

 ミステリではないのでネタバレをしてもかまわないのでしょうけれども、最終章の意味を語るには第一章から話を追わなければならず、それには原文を引き写すのが最適。みごとな展開でした。

 ざっというと。『ドン=キホーテ』の文学における位置を探る時、それは文学そのものを意味づけるのだ、という話。それで清水先生のパロディにも意味がついちゃうかはおいておくとして。…そう考えると清水義範はあくまで自分を「パスティーシュ」って言っていたから今回の議論には関係がないのかもしれません。

 「小説の建設的空中分解」の、その次も楽しみです。

ドン・キホーテの末裔 (岩波現代文庫)

ドン・キホーテの末裔 (岩波現代文庫)

2014-02-05

[][][]読売新聞文化部『唱歌童謡ものがたり』岩波現代文庫 15:03 はてなブックマーク - 読売新聞文化部『唱歌童謡ものがたり』岩波現代文庫 - 蜀犬 日に吠ゆ

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[][][][]バートランド=ラッセル 幸福の制圧 13:03 はてなブックマーク - バートランド=ラッセル 幸福の制圧 - 蜀犬 日に吠ゆ

12

Most of the work that most people have to do is not in itself interesting, but even such work has certain great advantages. To begin with, it fills a good many hours of the day without the need of deciding what one shall do. Most people, when they are left free to fill their own time according to their own choice, are at a loss to think of anything sufficiently pleasant to be worth doing. And whatever they decide on, they are troubled by the feelling that something else world have been preasanter.

BERTRAND RUSSEL, The Conquest of Hppiness

(語句と構文)

in itself = essentially 「本質的には」「それだけでは」 interesting 「興味のある」 adcantage 「長所」「強み」 to begin with 「まず第一に」 a good many 「かなり多くの」 decide 「定める」「決める」 according to = in accordance with 「~に従って」 at a loss 「困って」 decide on 「~することに決定する」 decide against (~しないことに決定する) decide には I have decide on buying (or to buy or that I will buy) this book. の3種の文型がある。 be troubled by 「~に悩まされる。」


(訳文)

 多くの人がしなければならない仕事の大部分は、それ自体はおもしろみのあるものではないが、こういう仕事には大いなる長所がある。まず第一に、仕事は考えなくてもよい時間で満たしてくれる。多くの人びとは、みずからの選択から離れての自由な時間に、価値ある仕事をみつけるのに困る。そしてをするか決めたにせよ、よりたのしい何か別のことがあったのではないかという感覚に悩まされるものだ。

英文標準問題精講

英文標準問題精講

2014-02-04

[][][][]ニュートンの思い出 13:03 はてなブックマーク - ニュートンの思い出 - 蜀犬 日に吠ゆ

20

I do not know what I may appear to the world; but to myself I seem to have been only like a boy playing on the seashore, and diverting myself in now and then finding a soother bebble or a prettier shell than ordinary, whilst the great ocean of truth lay all undiscovered before me.

SIR ISAAC NEWTON, Brewster's Memoirs of Newton

(語句と構文)

to myself 「私自身の目には」 to heve been = that I have been.  divert「楽しませる」<diversion(気晴らし) now and then 「ときおり」 in この in は finding を支配し、deverting myself in finding ~ (~を見つけて楽しむ)とつづく。 a smoother pebble than ordinary 「普通よりはなめらかな小石」 whilst = while 「~なのに」 the great ocean of truth 「真理の大海」


(訳文)

 私は自分が世間にどう見えているのか、わからない。ただ、私は自分を浜辺で遊ぶ子供のようなものだと見なしていて、普通よりなめらかな小石やかわいらしい貝殻を見つけては喜んでいるだけなのだ。その目の前には、真理の大海が秘められた謎をたたえて広がっているというのに。

英文標準問題精講

英文標準問題精講

2014-02-03

[][][]大いなる章を読む(その26) 23:37 はてなブックマーク - 大いなる章を読む(その26) - 蜀犬 日に吠ゆ

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2014-02-02

[][][]大いなる章を読む(その25) 23:25 はてなブックマーク - 大いなる章を読む(その25) - 蜀犬 日に吠ゆ

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2014-02-01

[][][]大いなる章を読む(その24)六、サビヤ 20:26 はてなブックマーク - 大いなる章を読む(その24)六、サビヤ - 蜀犬 日に吠ゆ

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