蜀犬 日に吠ゆ

2014-02-02

[][][]大いなる章を読む(その25) 23:25 はてなブックマーク - 大いなる章を読む(その25) - 蜀犬 日に吠ゆ

第三 大いなる章

六、サビヤ

 そのとき遍歴の行者サビヤはまたこのように考えた、「ここにおられる(道の人)ゴータマもまた衆徒をひきい、団体の師であり、有名で名声あり、教派の開祖であり、多くの人々から立派な人として崇められている。さあ、わたしは(道の人)ゴータマに近づいて、これらの質問を発することにしよう」と。

 さらに遍歴の行者であるサビヤは次のように考えた、「ここにおられる(道の人)・バラモンがたは、年老いて、年長(た)け、老いぼれて、年を重ね、老齢に達しているが、長老であり、経験を積み、出家してからすでに久しく、衆徒をひきい、団体の師であり、有名で名声あり、教派の開祖であり、多くの人々から立派な人として崇められている。すなわちプーラナ・カッサパからさらにナータ族の子ニガンタに至るまでの人々であるが、かれらは、わたくしに質問されても、満足に答えることができなかった。満足に答えられないで、怒りと嫌悪と憂いの色をあらわにしたのみならず、かえってそこでわたくしに反問した。(道の人)ゴータマはわたくしの発したこれらの質問に答え得るであろうか。(道の人)ゴータマは青年も若いし、出家したのも新しいことだからである」と。

 次いで遍歴の行者サビヤはこのように考えた、「(道の人)は若いからといって侮ってはならない。軽蔑してはならない。たといかれが若い(道の人)であっても、かれは大神通(だいじんづう)があり、大威力がある。さあ、わたしは(道の人)ゴータマのもとに赴いて、この質問を発してみよう」と。

 そこで遍歴の行者サビヤは王舎城に向って歩みを進め、王舎城の竹園林にある栗鼠飼養所におられる尊き師(ブッダ)のもとに赴いた。そうして、師に挨拶した。喜ばしい、思い出のことばを交したのち、かれらは傍らに坐した。それから遍歴の行者サビヤは師に詩を以て呼びかけた。――

中村元『ブッダのことば』岩波文庫
ブッダのことば―スッタニパータ (岩波文庫)

ブッダのことば―スッタニパータ (岩波文庫)