蜀犬 日に吠ゆ

2014-03-23

[][][]浜本隆志『紋章が語るヨーロッパ史』白水uブックス 20:23 はてなブックマーク - 浜本隆志『紋章が語るヨーロッパ史』白水uブックス - 蜀犬 日に吠ゆ

 紋章官になりた~~い、わけではありません。

 紋章学の基礎を学ぶ上でいちばん手軽な入門書、かなあ。

第一章 紋章の起源と略史
一 紋章の起源

 ヨーロッパ紋章の直接のルーツは、およそ十二世紀頃、騎士が顔までかぶったヘルメットを着用するようになり、視界が狭まったので敵味方を確認する必要上、楯に目印になる紋様を描いたことに由来する。そのため紋章は盾の形をしているのであって、英語、ドイツ語、フランス語の紋章という言葉(coat of arms, Wappen, armoiries)が、いずれも武器(arms, Waffen, armes)から派生していることを見ても、紋章と尖塔の密接な関係が類推できよう。初期の紋章は、騎士の好みによって恣意的に描かれたケースもあったが、やがてこれが特定のものに固定化し、代々世襲されるようになる。

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第一章 紋章の起源と略史
一 紋章の起源

 紋章の起源をめぐっては、従来から諸説が唱えられてきた。まずその起源は、古代ギリシア・ローマ時代の戦闘において、楯に紋様を描いたことにまでさかのぼるという指摘がある。

(略)

 次に、ドイツの紋章学では、タキトゥス(五五ごろ―一二〇)ごろの描写にもあるように、ゲルマン人が楕円形か四角形の楯(後に円形の楯も認められる)動物紋様やルーン文字(古代のゲルマン文字)などを書き込んでいたので、これが紋章の起源であると主張された。

(略)

 さらに時代的には、第一次十字軍の遠征(一〇九六―九九)と紋章の発生の時期がほぼ重なっているので、十字軍の遠征が紋章の発生の起源であって、これがその発展に大きな役割を果たしたという説もある。則ち十字軍は、イスラム教徒が用いていた標識としての紋章に強く影響されて、この慣行を受け入れたという。

(略)

 フランスの紋章学者のM.パストゥローは、前述の紋章の起源をめぐる諸説を否定し、紋章の誕生はヨーロッパ中世の「封建社会」と「武具の変遷に起因する」としている。筆者もこの説に依拠し、紋章は中世ヨーロッパに端を発し、とりわけその継承は、封建制度の主従関係や封土の世襲制と密接なかかわりによって生まれたものであると考える。

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 というわけで、紋章の意義はとりわけ、その来歴や継承に主眼が置かれるというのが、90年代頃にはホットなテーマであったようでございます。

 モットー(標語)に関しては森護(この先生も紋章できる)が『英国王室史話』中公文庫 でちらほら書いていたような気がしますが、手元に本がないのでまたあとで。


紋章が語るヨーロッパ史 (白水uブックス)

紋章が語るヨーロッパ史 (白水uブックス)

英国王室史話〈上〉 (中公文庫)

英国王室史話〈上〉 (中公文庫)

英国王室史話〈下〉 (中公文庫)

英国王室史話〈下〉 (中公文庫)

スコットランド王国史話 (中公文庫)

スコットランド王国史話 (中公文庫)