蜀犬 日に吠ゆ

2014-07-26

[][][]大いなる章を読む(その31) 19:54 はてなブックマーク - 大いなる章を読む(その31) - 蜀犬 日に吠ゆ

第三 大いなる章

六、サビヤ

 そこで、遍歴行者サビヤは師の所説をよろこび随喜し、こころ喜び、楽しく、嬉しく、欣快の心を生じて、さらに尊師に質問を発した。

五三三 サビヤがいった、「何を得た人を(学識ある人)と呼ぶのですか? 何によって(すぐれた人)となるのですか? またいかにして(おこないの具(そな)わった人となるのですか? (遍歴行者)とはそもそも何ですか? 先生! おたずねしますが、わたくしに説明してください。」

五三四 師は答えた、「サビヤよ、教えを聞きおわって、世間における欠点あり或いは欠点のないありとあらゆることがらを熟知して、あらゆることがらについて征服者・疑惑のない者、解脱した者、煩悩に悩まされない者を(学識のある人)と呼ぶ。

五三五 諸々の汚れと執著のよりどころとを断ち、智に達した人は、母胎に赴くことがない。三種の想いと汚泥とを除き断って、妄想分別に赴かない、――かれを(すぐれた人)と呼ぶ。

五三六 この世において諸々の実践を実行し、有能であって、常に理法を知り、いかなることがらにも執着せず、解脱していて、害しようとする心の存在しない人、――かれは(行いの具わった人である。

五三七 上にも下にも横にも中央にも、およそ苦しみの報いを受ける行為を回避して、よく知りつくして行い、偽りと慢心と貪欲(とんよく)と怒りと(名称と形態)(個体のもと)とを滅ぼしつくし、得べきものを得た人、――かれを(遍歴の行者)と呼ぶ。」

中村元『ブッダのことば』岩波文庫

ブッダのことば―スッタニパータ (岩波文庫)

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