蜀犬 日に吠ゆ

2017-01-14

[][]久遠の法、ブッダの授記~~『ほんとうの法華経』筑摩新書 21:14 はてなブックマーク - 久遠の法、ブッダの授記~~『ほんとうの法華経』筑摩新書 - 蜀犬 日に吠ゆ

 南無。

 法華経の岩波文庫に『サンスクリット原典現代語訳 法華経』が出版された記念の対談。

 同じ岩波文庫で出されている『法華経』は旧版ということになるのでしょうか?

 法華経は、とりあえず、ざっと目を通したことはありますが読んだというには程遠い、内容もまったく頭に入っていない状態であったため、こうした入門書はありがたいことでございます。南無。

 大乗仏教は、小乗を否定するのではなくてそれを包含しようとしていたこと、法華経の断章が記述された時は、仏教といえばのちの上座部仏教であり、法華経集団はそれに配慮しながら経典を捏造してゆく(とは書いていませんが)あたりの話はずいぶんためになりました。

 提婆達多(ダイバダッタ、デーヴァダッタ)は、キリスト教でいえばイスカリオテのユダに匹敵する人物ですが、新約聖書には採られなかった(裏切り者のユダを使徒とする)「ユダによる福音書」がありますように、デーヴァダッタ仏教団が存在したというのは興味深く感じました。法顕や玄奘が記しているそうで、ということは第3回、第4回の有名な仏典結集をくぐり抜けているということで、インドの仏教界やヒンドゥーとも同時代に、どのような形で存続していたのか、興味を持ちました。ブッダに公然と反抗したデーヴァダッタを、法華経では「未来において授記する(現世では授記しない)が未来に救われる」としているわけで、法顕や玄奘がどのような判断をしているのか、『仏国記』『大唐西域記』を読まないといけないのかなあ。


ほんとうの法華経 目次
The Lotus Sutra in the True Sence
  • まえがき 橋爪大三郎 013
  • 序 015
  • 法華経の基礎知識 017
    • 法華経はなぜ、「最高の経典」か
    • 経典全体の中での法華経
    • 釈尊を「神格化」
    • 法華経の評価
    • 経典とはなにか
    • 梵天勧請
    • 釈尊は字が書けたか
    • なぜ口伝なのか
    • 如是我聞
    • ハディースと仏典
    • 小乗と大乗
    • 大乗仏教の始まり
    • 法華経のサンスクリット原典
    • 貝葉の写本
    • 写本の発見
    • ケルン・南条本
    • 鳩摩羅什訳
    • 原典を参照する利点
    • 漢訳とサンスクリット
    • これまでの法華経役
  • 法華経の構成 049
    • 会座とはなにか
    • 一二五〇人の弟子
    • そのほかの聴衆
    • 男女の別
    • ほかのブッダ
    • 菩薩たち
    • 会座の転換
    • 教えはいつ説かれた
    • 不在の弟子
    • おもな菩薩たち
    • 弥勒菩薩
    • 章の構成
    • 口伝か文字か
    • 迹門と本門
    • 会座による区分
    • それ以外の区分
  • 第一章 序品(第一) 078
    • 瞑想中の天上の花と大地の
    • 無数の仏国土を照らす
    • 何の前触れか
    • 奇蹟と神通力
    • 行き過ぎた布施
    • 文字通り信じるのか
    • ミリンダ王の疑問
    • 二つの法華経
    • 差別思想と大乗経典
    • 宗派の関係
  • 第二章 方便品(第二) 094
    • 方便品とは
    • 過去世
    • 因と縁
    • 声聞と菩薩
    • 方便
    • さまざまな経典
    • 法華経を超える立場?
    • 密教はどう危険か
    • 日本仏教にからみつく密教
    • 十如是
    • 声聞も菩薩である
    • 掛詞としての「菩薩のための教え」
    • 二乗と”真の菩薩”
  • 第三章 譬喩品(第三) 123
    • 授記
    • 授記の起こり
    • 授記という形式の方便
    • 今”””ここで””このわが身”で
    • 声聞が授記を受ける
    • 火宅の譬え
    • 三一権実論争
    • 玩具の車と本物の車
  • 第四章 信解品(第四) 138
    • 信解とは
    • 四人の声聞たち
    • 資産家の貧しい息子
    • 四人の声聞への授記
    • 利子について
    • 聖書の放蕩息子
    • 長者窮子のパワー
    • 大乗教団はどこから
    • 菩薩の再定義
    • 声聞の修行と菩薩の修行
  • ”真の声聞”は菩薩
    • なぜはじめから菩薩なのか
    • 仏の子と神の子

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  • 第五章 薬草喩品(第五) 168
    • 薬草の譬え
    • 聖書のたとえと、法華経の譬え
    • 世間の意味すること
  • 第六章 授記品(第六) 174
    • 四大声聞
    • 劫について
    • 仏国土は平坦
    • 仏国土はどんな場所か
    • 仏国土の構造
    • 仏国土と極楽浄土
    • 授記の革新性
    • 授記と仏国土
    • ブッダが菩薩行をする
  • 第七章 化城喩品(第七) 193
    • 大通智勝仏
    • 巨大な数
    • 大通智勝仏と法華経
    • 大ブラフマー神
    • アスラたち
    • 現在他方仏
    • 釈迦仏が中心
    • 釈尊と仏国土
    • 蜃気楼の譬え
    • 一神教との違い
    • 絶対者は神か、人間か
    • 殺生について
  • 第八章 五百弟子授記品(第八) 216
    • 衣裏珠の譬え
  • 第九章 授学無学人記品
    • 法を語ることが重要
    • 声聞と法華経信者との争い
    • 女性のいない仏国土
    • 無量の三千大千世界
    • 同じ名前のブッダ
  • 第十章 法師品(第十) 229
    • 善男子・善女人
    • 経巻崇拝
    • 文書化する技術の存在
    • 法と人の一体性
    • 如来の全身はこの経に
    • 法華経を受持する人は如来使
    • 衣・座・室の三軌
  • 第一一章前半 見宝塔品(第十一) 241
    • 宝塔の出現
    • ストゥーパと法華経
    • 多宝如来はミイラか?
    • 六難九易
  • 第一一章後半 提婆達多品(第十二) 251
    • デーヴァダッタへの授記
    • デーヴァダッタは極悪人か
    • デーヴァダッタの名誉回復
    • 極端な布施
    • 二十中劫の寿命
    • 変成男子
    • 龍(ナーガ)とは
    • 輪廻と性別
    • 極楽往生と性別
    • 輪廻の内実とは
    • 変成男子・再論
  • 第一二章 勧持品(第十三) 268
    • 女性への授記
    • 迫害を忍ぶ
  • 第一三章 安楽行品(第十四) 272
    • 権力者に近づくな
    • カースト間交際に関する規定
    • 分け隔てなく教えを説け
    • 法華経の論理と一貫せず
    • 安楽行品への違和感
    • 世間体を気にする教団
    • 在家者の振る舞い
    • 「四つの在り方」の残り三つ
    • 旃陀羅が子、日蓮
    • 批判的に読むべし
    • 髻中明珠の譬え
  • 第一四章 従地涌出品(第十五) 284
    • 滅後に法を弘めるのは誰か
    • 地涌の菩薩
    • なぜ、大勢なのか
    • 四人の菩薩
    • 大菩薩の疑問
    • 時間のパラドックス
    • ひと目で菩薩とわかるのか
    • 弥勒菩薩はどこに?
    • 弥勒菩薩は外来神?
  • 第一五章 如来寿量品(第十六) 299
    • 三度懇請してやまず
    • 遥かな過去の覚り
    • 永遠の菩薩道
    • 燃燈仏と釈迦仏への統一
    • 三阿僧祇劫と二種の塵点劫
    • 久遠のブッダも寿命があるか?
    • 父と子のようなものか
    • ブッダの身体
    • 久遠のブッダは、釈迦仏か
    • キリスト仮幻説とは逆?
    • 釈尊の本体とは?
    • 毘盧遮那仏との違い
    • 法身とは
    • 法華経でブッダに出会う
    • 久遠実成仏と法華経
    • 菩薩行の逆転
  • 第一六章 分別功徳品(第十七) 330
    • 如来の寿命の長さの功徳
    • デイゴの花
    • 智慧波羅蜜
    • 釈迦仏の寿命
    • ゆるぎなく信じる
    • 声聞への供養も必要ない?
    • 法華経のPRが大事
    • 自利と利他
    • 経典の書写
    • 誰もが法華経を読めたのか
    • サンスクリット以外の言語
    • バラモン教復興と法華経
    • ストゥーパと精舎
    • 如来だと思いなさい
  • 第一七章 随喜功徳品 351
    • 五〇番目に聞いて喜ぶ福徳
    • 阿羅漢に導く福徳
    • 教えの伝言ゲーム
    • 文字と口伝え
    • 人間対人間の対話
    • 座席を譲り与える福徳
    • 肉体的欠点のクリア
  • 第一八章 法師功徳品(第十九) 363
    • 六根清浄
    • 清浄か正常か
    • 善悪を超える
    • 日蓮の言葉
    • 鋭敏な五感
    • 意根のはたらき
    • 百蓮華のシンボリズム
    • においにこだわる
  • 第一九章 常不軽菩薩品 379
    • 勢至菩薩の登場
    • 勢至菩薩は聞き役
    • 不軽菩薩の登場
    • 教えが衰亡する時代
    • 「軽んじない」か、「軽んじられる」か
    • 威音王仏の教え
    • 不軽菩薩のパフォーマンス
    • 仏か、菩薩か
    • 釈尊の神格化
    • 釈迦仏の菩薩行
    • それは、授記なのか
    • 地上に理想世界を
    • 法華経に先立つ確信
    • ケルン・南条本の書き換え
    • 全ての人を尊重する
    • 低いカースト
    • 平凡の中の非凡
    • 過去世の釈尊
    • 男女平等の思想
    • 入れ子構造
    • 題目と実践
  • 第二〇章 如来神力品(第二十一) 410
    • 別付嘱
    • 広長舌相
    • ”どこでも聖地”
    • 法が貴く、人が貴い
    • 聖地はあっていいのか
    • 日々の生き方に活かす
  • 第二一章 陀羅尼品(第二十六) 420
    • 陀羅尼品以下は後世の付加
    • 誰がいつ付加した?
    • なぜ付け加えたのか
    • 日蓮の法華経理解
    • 観音信仰
    • 陀羅尼が入り込む
    • 鬼子母神の母性
  • 第二二章 薬王菩薩本地品(第二十三) 430
    • 焼身自殺は布施か
    • 極楽に女性はいない
  • 第二三章 妙音菩薩品(第二十四) 434
    • ブッダの巨大化
    • 妙音菩薩の変身
  • 第二四章 観世音菩薩普門品(第二十五) 438
    • あらゆる方向に顔を向ける
    • 観音菩薩の神変
    • 男女生み分けと祖先崇拝
    • 男女平等のゆくえ
  • 第二五章 妙荘厳王本事品(第二十七) 446
    • 二人の王子による神変
    • 妙荘厳王の出家と授記
    • バラモン教と仏教
    • 善知識の重要性
  • 第二六章 普賢菩薩勧発品(第二十八) 451
    • 普賢菩薩は法華経の守護者
    • 法華経と無関係に作られた観音品
    • スリ替えの論理
    • 庇を貸して、母屋を取られる
    • 観音信仰はどこから
  • 第二十七章 嘱累品(第二十二) 458
    • 迹化と本化
    • そのほかの菩薩たち
    • 善男子・善女人
    • 何を付嘱したのか
    • 法華経を弘める菩薩たち
  • 終わりに 465
    • インド、中国で注目の観音
    • 不軽菩薩に注目した日蓮
    • 法華経の思想のとらえ方
    • 法華経の骨肉化
    • なぜそのような表現を?
    • 法華経は古びない
  • あとがき 植木雅俊 475
  • 参考文献 477
橋爪大三郎 植木雅俊『ほんとうの法華経』筑摩新書