蜀犬 日に吠ゆ

2016-08-14

[][]小寺聡『もういちど読む 山川倫理』山川出版社2011 21:39 はてなブックマーク - 小寺聡『もういちど読む 山川倫理』山川出版社2011 - 蜀犬 日に吠ゆ

 「洞窟の比喩」と「洞窟のイドラ」がいつも混乱する、曖昧な私です。こんばんは。

 山川出版社の倫理を読もうとしましたが、まず「まえがき」の部分を読んで立志の誓いを強化します。

ふたたび倫理を学ぶみなさんへ

 「人間はいかに生きるべきか」「人生はいかにあるべきか」という問いは、私たちが人生で直面するさまざまな問題のなかでも、いちばん基本にある問いといえます。それはまた、昔から古代ギリシアのソクラテスをはじめ、多くの優れた先人が生涯を通じて考え抜いた倫理の根本問題です。そして、この問題に対する先人の答えは、洋の東西を問わず、各人各様といってもよいほどさまざまです。ある人は個人の心のあり方を基準にして「人間の生き方」を考え、ある人は社会全体の福祉を基準にして「人間のあり方」を求めています。また、ある人は倫理的生活の中心を、自分が体験する身近な世界の中に見出し、ある人は現実の世の中を越えた視点から、真実の生き方とは何かを問題にしました。私たちが、こうした先人の真剣な思索の成果を学ぶ際に、もしも、それがただ過去の知識を習得することに終わるならば、倫理を学ぶことほど不毛でつまらないものはないでしょう。私たちが自分自身の心と行動のあり方を反省しながら、人間の生き方・あり方について主体的に問いすすめていくところに、倫理を学ぶ意義があるからです。

 倫理とは何かという質問に、「倫理」という言葉の意味を説明する答え方があります。たとえば「倫」とは「なかま」のことであり、「理」とは「筋道」のことをさしますから、倫理とは要するに人々の永年の経験が積み重なってできあがった、人間集団の規律やルールのことをさすと説明できます。倫理は私たちが他者とともに、人間らしく生きるための道筋を示すものといえます。私たちはこのような人として歩むべき道筋を過去の人びとから受け継ぎながら、未来の新しい時代に即した人間の生き方を探求しなければなりません。

 本書は高等学校の教科書として使われている『現代の倫理(改訂版)』をベースに、一般の読者を対象として明快な記述ながらも内容を深め、人生について思索する手がかりになるように改めました。また、先人の思想を理解する上での手助けになるように、彼らの言葉をコラムとして掲載しています。誰にでも読みやすく、この一冊で、人類史上に登場したおもな思想家たちの考えが把握でき、人類の精神史の全体像と、現代の倫理的課題が一望できる書物です。本書が現代人の一人ひとりにとって、みずからの生き方を考える上での一助となることを願っています。

小寺聡『もういちど読む 山川倫理』山川出版社2011

 あー。読点のリズムが私とは違うのですなあ。だから読みにくかったのか。すこしゆっくり読むのが(わたしにとっての)コツですね。

もういちど読む山川倫理

もういちど読む山川倫理

2014-03-01

[][][][]堂目卓生『アダムスミス』中公新書 13:03 はてなブックマーク - 堂目卓生『アダムスミス』中公新書 - 蜀犬 日に吠ゆ

はじめに
序章 光と闇の時代……3
  • 十八世紀イギリスの世相
    • 1 光の側面
      • 政治の民主化 大西洋貿易システムの確立と経済の発展 生産技術の革新 知識の進歩と普及
    • 2 闇の側面
      • 格差と貧困 財政問題 アメリカ植民地問題
    • 3 スミスの生涯と課題
      • スミスの生涯と知的環境 スミスの課題
    • Ⅰ 『道徳感情論』の世界

第一章 秩序を導く人間本性

    • 1『道徳感情論』の目的
      • 道徳の基礎としての感情
    • 2同感の仕組み
      • 同感とは何か 自分の感情や行為に対する他人の判断 胸中の公平な観察者の形成 成熟した観察者の判断
    • 3 称賛と非難
      • 称賛と非難の仕組み 称賛と非難に偶然が与える影響 不規則性の社会的意味 不規則性への対応――賢人と弱い人
    • 4 いかにして正義のルールが作られるか
      • 一般的諸規則の設定 義務の感覚 正義と慈悲
    • 5  社会秩序に関するスミスの見解
      • 完全な社会秩序は可能か
アダム・スミス―『道徳感情論』と『国富論』の世界 (中公新書)

アダム・スミス―『道徳感情論』と『国富論』の世界 (中公新書)

2014-02-05

[][][][]バートランド=ラッセル 幸福の制圧 13:03 はてなブックマーク - バートランド=ラッセル 幸福の制圧 - 蜀犬 日に吠ゆ

12

Most of the work that most people have to do is not in itself interesting, but even such work has certain great advantages. To begin with, it fills a good many hours of the day without the need of deciding what one shall do. Most people, when they are left free to fill their own time according to their own choice, are at a loss to think of anything sufficiently pleasant to be worth doing. And whatever they decide on, they are troubled by the feelling that something else world have been preasanter.

BERTRAND RUSSEL, The Conquest of Hppiness

(語句と構文)

in itself = essentially 「本質的には」「それだけでは」 interesting 「興味のある」 adcantage 「長所」「強み」 to begin with 「まず第一に」 a good many 「かなり多くの」 decide 「定める」「決める」 according to = in accordance with 「~に従って」 at a loss 「困って」 decide on 「~することに決定する」 decide against (~しないことに決定する) decide には I have decide on buying (or to buy or that I will buy) this book. の3種の文型がある。 be troubled by 「~に悩まされる。」


(訳文)

 多くの人がしなければならない仕事の大部分は、それ自体はおもしろみのあるものではないが、こういう仕事には大いなる長所がある。まず第一に、仕事は考えなくてもよい時間で満たしてくれる。多くの人びとは、みずからの選択から離れての自由な時間に、価値ある仕事をみつけるのに困る。そしてをするか決めたにせよ、よりたのしい何か別のことがあったのではないかという感覚に悩まされるものだ。

英文標準問題精講

英文標準問題精講

2014-02-04

[][][][]ニュートンの思い出 13:03 はてなブックマーク - ニュートンの思い出 - 蜀犬 日に吠ゆ

20

I do not know what I may appear to the world; but to myself I seem to have been only like a boy playing on the seashore, and diverting myself in now and then finding a soother bebble or a prettier shell than ordinary, whilst the great ocean of truth lay all undiscovered before me.

SIR ISAAC NEWTON, Brewster's Memoirs of Newton

(語句と構文)

to myself 「私自身の目には」 to heve been = that I have been.  divert「楽しませる」<diversion(気晴らし) now and then 「ときおり」 in この in は finding を支配し、deverting myself in finding ~ (~を見つけて楽しむ)とつづく。 a smoother pebble than ordinary 「普通よりはなめらかな小石」 whilst = while 「~なのに」 the great ocean of truth 「真理の大海」


(訳文)

 私は自分が世間にどう見えているのか、わからない。ただ、私は自分を浜辺で遊ぶ子供のようなものだと見なしていて、普通よりなめらかな小石やかわいらしい貝殻を見つけては喜んでいるだけなのだ。その目の前には、真理の大海が秘められた謎をたたえて広がっているというのに。

英文標準問題精講

英文標準問題精講

2013-09-06

[][][][]知行合一~~王陽明「伝習録」『朱子 王陽明』中公バックス 09:32 はてなブックマーク - 知行合一~~王陽明「伝習録」『朱子 王陽明』中公バックス - 蜀犬 日に吠ゆ

顧東橋に答えるの書

思うに、学ぶとすれば疑問がないわけにいかず、そこで問いが生ずる。この問うことがそのまま学ぶこと、そして行うことでもあるのです。また、その疑問があることから、思いが生ずるのですが、この思うこともまたそのまま学ぶこと、そして行なうことである。更にその疑問は、弁ずる(明察する)ことにもつながり、その弁じ明らかにすることもまたそのまま学ぶこと、そして行なうことに他なりません。弁ずること明らかに、思うこと慎み深く、問うては審かに、学んでは能くし、その上またそれを休むことなく続ける、それを「篤く行なう」というのであって、ひとまず学問思弁してそののちにはじめて行ないを施すというのでは決してないのです。

 というわけで、その事を能くしようと求める上から、学といい、その惑いを解こうとする上から問といい、その理に通じようと求める上から思といい、その考察を精にしようと求める上から弁といい、その実際を履行しようと求めるうえから行というなど、それぞれの功夫を分析すれば右の五つとなるのですが、綜合的にいえば一つに帰する、これが、わたしのいう心理合一の本質であり、また知行並進の実際でもあるのであって、後世の(朱子らの)説と異なるゆえんも、まさにここに存するのです。

 いま貴君は、とくに学問思弁を挙げ、この四者によって天下の理を窮めるとし、篤行については言及されなかった。これは、もっぱら学・問・思・弁のみを知とし、窮理には行いは含まれないとするものですが、いったい天下に、行いのない学問があるはずがなく、行わずして窮理と呼べるものがあるわけもない。

王陽明 荒木見悟編集「伝習録 中巻」『朱子 王陽明』中公バックス

2012-09-09

[][][]プラトン『饗宴』岩波文庫 20:07 はてなブックマーク - プラトン『饗宴』岩波文庫 - 蜀犬 日に吠ゆ

 登場人物のまとめを書き留めておきます。

饗宴 (岩波文庫)

饗宴 (岩波文庫)

饗宴

(一名、愛論、倫理篇)

対話篇中の人物
  1. 前置きの会話(172a-174a)に出るのは
    • アポロドロス
    • (グラウコン)
    • 友人
  2. アガトンの宅で催された饗宴についてそれに列席した客の一人アリストデモスから聞いたことをふたたび物語るアポロドロスの話(174b-223d)の中に現われるのは
    • アリストデモス
    • ソクラテス
    • アガトン
    • ファイドロス
    • パゥサニヤス
    • エリュキシマコス
    • アリストファネス
    • (ディオティマ)
    • アルキビヤデス
    • アガトンの客と給仕等
    • アルキビヤデスの従者たち
  • 前置きの会話の行われたのはおよそ紀元前四〇〇年頃、饗宴の催されたのは紀元前四一六年
プラトン『饗宴』岩波文庫