蜀犬 日に吠ゆ

2015-03-28

[][] 近づくためには、近づかなければならない 19:09 はてなブックマーク -  近づくためには、近づかなければならない - 蜀犬 日に吠ゆ

三月二十八日

 「世間には、あまりにも頑固に、あまりにも一途に未来にばかり望みをかけている人がいる――決してやって来もしない未来に。」(レッキー)

 これは全くその通りである。われわれは将来の心配や計画の苦心をすっかりやめてもよろしい。もっともつねにその前提として、われわれが正しい、真直ぐな道にあって、いまさらそれを探す必要もなく、ただそれを進めばよいという状態でなくてはならない。創世記一七の一*1にいわれていることも、これである。

ヒルティ著 草間平作・大和邦太郎訳『眠られぬ夜のために』第一部 岩波文庫

 やってくる未来は、私にとって望ましくない物であるのが普通なのです。未来に望みをかけるなら、進んでいかなければならない。

 遠くに青々と眺められる山の連なりのように、遙かな未来は美しく見えます。しかし道のりは遠く、近づくにつれて山の現実が私の前に立ちふさがり、私は進むことをためらいだす。

眠られぬ夜のために〈第1部〉 (岩波文庫)

眠られぬ夜のために〈第1部〉 (岩波文庫)

*1:「わたしは全能の神である。あなたはわたしの前に歩み、まったきものであれ。」

2014-07-15

[][][][]「酒は百薬の長」 16:08 はてなブックマーク - 「酒は百薬の長」 - 蜀犬 日に吠ゆ

 「酒は百薬の長」などと仰せられた王莽のお言葉。

Ⅵ 酒

酒は百薬の長

むかしからいう「酒は百薬の長」なる一句は、酒好きが、酒飲むべからず派に対抗するために言いふらした迷文句のようですが、実はさにあらず、「正史」、つまり最も正統的な歴史書、のひとつである『漢書』に、しかも皇帝の詔勅の中の一句として記録されているのです。

村上哲見『中国の名句・名言』講談社現代新書

Ⅵ 酒

酒は百薬の長

このように由緒正しい一句なのですから、飲むべからず派の人も、ハハーッと恐れ入って、平伏してうけたまわらなければなりません――といいたいところですが、実はこの皇帝、『漢書』に載っているといっても漢の皇帝ではなく、漢の帝位を奪った王莽のことで、しかもその詔勅というのは、政府が財政困難なために酒や塩や鉄とともに政府の専売にすることを宣言するものでした。

 それ塩は食肴(しょくこう)の将、酒は百薬の長にして、嘉会の好、鉄は田農の本……

 とこれらの物資の効用をほめたたえたあと、庶民たちはこれらを自分では作れないので買うしかない、そこで「豪民富賈」=金持ちの商人がもうけて貧民を苦しめる、だから政府が管理してやるのだ、とうまくリクツをtけておりますが、あからさまにいえば政府がもうけようとしたのですから、何も恐れ入るようなことではありません。なお王莽が設立した新という王朝は、こうした努力もむなしくわずか十五年ほどで崩壊し、漢の王朝が復活します。紀元一世紀の初めのことです(王莽の在位は紀元八~二十三年)。

村上哲見『中国の名句・名言』講談社現代新書

 ついでに、酒の専売そのものは前漢武帝の時期(B.C.98)。

Ⅵ 酒

酒は百薬の長

 タネを明かせばこういうことですが、以来「酒は百薬の長」は、酒飲みの呪文として現在に至るまで広く流布しております。(略)兼好法師の『徒然草』には、酒を論じて、

 ……「百薬の長」とはいへど、万の病は酒よりこそおこれ、憂忘るといへど、酔ひたる人ぞ過ぎにしうさをも思い出でて泣くめる、後の世は人の智慧をうしなひ、善根をやくこと火のごとくして、悪をまし、万の戒を破りて地獄におつべし。

 (略)

 そこで兼好法師は酒嫌いかというと、さにあらず、これほど非難しておきながら途中から、

 かくうとましとおもふ物なれど、おのづから捨てがたき折もあるべし。月の夜、雪のあした、心のどかに物語りして杯出したる、よろずの興をそふるわざなり。

 と、一転して酒の良さをいろいろと述べているところをみると、どうやら兼好法師も、酒がやめられなかったひとりのようです。

 夫塩食肴之将、酒百薬之長、嘉会之好、鉄田農之本……

       ――班固『漢書』食貨志

村上哲見『中国の名句・名言』講談社現代新書
中国の名句・名言 (講談社現代新書)

中国の名句・名言 (講談社現代新書)

2014-05-11

[][][]美味しんぼの思い出 16:08 はてなブックマーク - 美味しんぼの思い出 - 蜀犬 日に吠ゆ

 最近美味しんぼが話題な様なので思い出の美味しんぼ画像。

 というか、全ページ全コマ貼りたいくらいのおもしろさ。

 著作権を侵害するのでできませんが、美味しんぼがこれでみんなの注目を集めることになれば今回の騒動もわるくなかったのかな。

♪DAN DAN 気になる~~~~


 この辺の台詞が、ツイッターする人の怒りの導火線に触れたのかしら。


 あははは


 しみじみおもしろい

 とてもじゃないけど中華街までたどりつけません。大好きな回なのに。

2013-11-25

[][][]一一月二五日 憲法は絹のハンカチではない 22:29 はてなブックマーク - 一一月二五日 憲法は絹のハンカチではない - 蜀犬 日に吠ゆ

一一月二五日

憲法は絹のハンカチではない、雑巾だ。

国会議員の飾りではない、民衆の日常生活を清めるものだ。

歪みを正すものだ。

むのたけじ『一日一言』岩波新書
99歳一日一言 (岩波新書)

99歳一日一言 (岩波新書)

日常生活で、あれやこれやの「しかたない」を受け入れざるを得ないとき、憲法は夜空の星のように私たちの進むべき道を輝きで照らしてくれている。

2013-11-19

[][][]一一月一九日 子どもが可愛いと 18:53 はてなブックマーク - 一一月一九日 子どもが可愛いと - 蜀犬 日に吠ゆ

一一月一九日

 子どもが可愛いと見下ろすから、結び付きをこわす。

 可愛いなら、尚のこと真正面に見つめなさい。

むのたけじ『一日一言』岩波新書
99歳一日一言 (岩波新書)

99歳一日一言 (岩波新書)


 真正面から向き合うというのは、苦手ですねえ。半端なさかしらが出てしまう。あるいは子どもに合わせるつもりになっているとき、子どものところまで下りる感覚がもう、間違っているに決まっています。

2013-10-21

[][][]一〇月二一日 誇るべし 09:02 はてなブックマーク - 一〇月二一日 誇るべし - 蜀犬 日に吠ゆ

一〇月二一日

誇るべし、若いは人の誇り。

むろん老いまた然り。

むのたけじ『一日一言』岩波新書
99歳一日一言 (岩波新書)

99歳一日一言 (岩波新書)


 むの氏のように前を向いて生きていると、いのちを発熱させていると、そういう感慨になるのでしょう。わたしのようなものは、若いころ若さを誇ることがなかった。若いと言うことに驕り高ぶることはありました。老いていくこと、老いてきたことに、老いゆえに気付くことなく、ただしく老いると言うことが出来ずにいます。


 だんだん暗くなるので、今日はこれでおしまい。